渋沢栄一が作った日本最古の損害保険会社、東京海上グループのデジタル戦略
マクニカ株式会社のカンファレンス「Macnica Networks DAY 2021 + macnica.ai」は今回、開催16回目を迎える。デジタル化が加速される中で、急務となるサイバーセキュリティ、DXを推進するAI活用などをテーマに、多彩なセッションが展開された。競争優位性に繋がるデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める、東京海上グループからは、インフラ戦略、データ戦略、組織・プロセス戦略を次世代フレームワークと位置付けて、データ活用をどう進めて来たのか、その実際の紹介があった。
東京海上は日本で一番古い損害保険会社で、渋沢栄一が作った数ある企業の一つ。現在グループ企業は子会社241社、関連会社 25社が世界で展開している。
DXを迅速、効率的に進める「次世代フレームワーク」とは
東京海上グループはDXに向けて、大きく二つのデジタル戦略で臨んでいる。一つは社内の生産性を高め、Leanな経営体制を目指す「社内体制の変革」、もう一つは新たな成長の軸をつくり、課題解決力を強化する「価値提供の変革」である。「社内体制」は業務効率化・利便性向上を主題にAIを利用した分析や提案、RPAによる証明書作成、ブロックチェーンの活用などの取組が挙げられる。「価値提供」についてはIoT、APIなどのテクノロジーによる顧客サービスや昨今はモバイル完結型のサービスも提供している。
こうした取組を進めるうえで、東京海上グループはDXによって目指していく姿の実現のために「次世代フレームワーク」を構築している。このフレームワークは、「データ戦略」、「インフラ戦略」、「組織・プロセス戦略」の3つの戦略で構成されている。