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あふれるSaaSで頭を抱える情シスへ──SaaSならではの「データ活用」「困りごと」を改善

「会社経営を担う」情シスこそSaaS時代に活躍できる──“企業というソフトウェア”を構築するために

第6回:SaaS時代、経営のカギを握る情報システム部門のあり方

 企業に導入されるSaaSは増え続けており、その重要性は日に日に増している。SaaSを通して過去にないほどデータが蓄えられるようになり、SaaS全体を見渡せる情報システム部にはより“経営目線での判断”が求められるようになった。SaaSによるDXが加速度的に進む今、情報システム部がどのようにあるべきか。連載の最終回となる本稿では、その理想の1つを示し、そこに至るまでの道筋を考える。

SaaSを通して企業は“ソフトウェア化”していく

“Software is Eating the World.”──ソフトウェアが世界を飲み込んでいる

 2011年8月、世界有数のベンチャーキャピタルであるアンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz:a16z)の共同創業者マーク・アンドリーセンはウォール・ストリート・ジャーナルに寄稿した記事で、ソフトウェアが社会に広がっていく様子をそのように表現した[1]。それから約12年。ソフトウェアはSaaSという形態で提供されるようになったことで、より手軽に活用できるようになり、“世界を飲み込む”速度を上げている。もはや企業には、SaaSを使わない部署など存在しないようになってきた。SaaSは隅々にまで浸透し、小さなところから少しずつ業務をソフトウェアに置き換えている。また、「ChatGPT」のようなAI技術のブレイクスルーにより、SaaSは急速な進化を遂げており、今後も加速度的に業務はソフトウェアに置き換えられていくだろう。

 企業が利益を上げるために業務を行う人々の集合体であるならば、業務がソフトウェアに置き換えられていくことは、“企業がソフトウェア化”していくということだ。本連載「あふれるSaaSで頭を抱える情シスへ」の第1回〜第5回では、SaaS導入にあたっての課題やシステム連携、データ活用の仕方など、SaaSを効果的に浸透させるための方法について述べてきた。連載の締めとなる本稿ではソフトウェア化していく企業において、情報システム部門がどのようなビジョンを持ち、行動していくと良いのか。SaaSを開発し、各企業に様々なSaaSの導入を進めてきた筆者としての考えを述べていきたい。

[1] Marc Andreessen「Why Software Is Eating The World」(The Wall Street Journal,Updated August 20, 2011)

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経営のために“SaaSと基幹システム”を統合する

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あふれるSaaSで頭を抱える情シスへ──SaaSならではの「データ活用」「困りごと」を改善連載記事一覧

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この記事の著者

中山 智文(ナカヤマ トモフミ)

カラクリ株式会社 取締役CTO兼CPO 中山智文(なかやまともふみ)
1992年生まれ。2016年、東京大学大学院在学中に自身の研究分野である人工知能・データサイエンス技術の社会実装を進めるため、カラクリ株式会社を共同創業し、CTOに就任。主にエンタープライズのカスタマーサポート向けAIソリューション群を...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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