ビジネスロールに応じたビューの提供が可能
ニューヨーク州税務当局もBAMを活用した事例のひとつだ。年間1000万人もの個人所得税を中心に、法人税、セールス税など83億ドルを取り扱う同局では、Business Monitorの大きな特長の1つである“役割に応じたビュー”を活用している。業務担当者、マネージャー、エグゼクティブといった3階層のビジネスロールに従って、適切な内容のデータが適切なボリュームで提供する仕組みを取り入れたのである。
業務担当者ビューでは、個々のワークリストが表示され、業務担当者自身が自由に画面を構成できる。役割に基づいて利用できる機能が割り当てられるため、1つの作業にかかる時間が40%削減し、1日に処理可能な納税申告件数が増加した。
また、マネージャー・ビューでは、自らのワークリストともに、マネージャーの管理下にあるワークアイテムの確認やそれらのワークアイテムの進捗管理に焦点が置かれた。計画的に仕事が進められるようになったことで、例外の対応作業が60%、未処理作業が80%削減でき、納税率を向上させるための情報を取得できる時間的余裕を持てるようになった。
エグゼクティブ・ビューでは、さらにスコープを広げて、ビジネス・プロセスの種類、ビジネス・ユニット、期間などを指定して動的にレポートを作成する機能や、ビジネス指標を示すダッシュボードが置かれた。結果として、今までより信頼性の高いタイムリーなレポートが入手できるようになり、それに基づいて適切なアクションを迅速に起こせるようになったという。
変化するニーズに対応するならBAM構築
米国のサプライチェーンプロセス管理会社トレードメリットもBAMの構築を行なったケースだ。この会社では、サプライチェーンを遂行する上でカギを握るビジネス・アクティビティーを常にチェック。例外を検知した場合、それに対処するためのプロセスを自動的に走らせる仕組みをBAMで構築した。
従来発生していた取引の遅れを53%、過剰在庫を23%、特急便の割り増し輸送コストを18%、それぞれ削減するとともに、物流業者のサービス・レベル可視化によりその業務評価が行えるようになったという。
講演では、IBMのビジネススペースによって、Business Monitorが容易に始められる様子をデモンストレーションする一幕も見られた。変化するニーズに対応したBAMの構築を短期間で実現できることを来場者に訴求した。