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LINEヤフー、5社合併のID統合を8ヶ月間で実現できた理由

「Okta Identity Summit Tokyo 2024」レポート

マイグレーションとフェデレーションによる柔軟な統合戦略

 LINEヤフーがOktaを採用した最大の理由は、「マイグレーション&フェデレーション」という柔軟な統合戦略を実現できる点にあった。齊藤氏は「自画自賛ですが、とてもキャッチーなキーワードになったと思います」と語る。

(出典)LINEヤフー [画像クリックで拡大]

 マイグレーションとは、各社が持っていた認証基盤で認証していたアプリケーションをOktaの認証に移行すること。これにより、Oktaの柔軟なセキュリティポリシーや多要素認証の適用などの統合効果を最大限に享受できる。

 一方、フェデレーションは、各社が持っていたIDPをそのまま利用することで、移行の負荷なくOkta認証の恩恵を受けられるようにする方法だ。「各社が持っていたIDPをそのまま利用することで、そのIDPに認証していたアプリケーションは移行の負荷なくOkta認証という強力なメリットを受けることができます」と、齊藤氏はその利点を強調した。

 「マイグレーションは大変なコストがかかるため、統合の8ヵ月間では、まず全社員が使うグループウェアを中心に移行を実施しました」と齊藤氏は説明する。一方で、全てのアプリケーションをそのまま残すわけではなく、全社員で使っていくアプリケーションについては中央のOktaの認証に切り替えていく方針だという。

Okta導入の具体的効果と学び

 Okta導入による具体的な効果について、齊藤氏は以下のポイントを挙げた:

  1. 3万9000アカウントの一元管理を実現
  2. 90%以上のアカウントにMFA(多要素認証)を適用
  3. 8か月という短期間での認証基盤統合を達成
  4. 550以上のアプリケーションをOktaにインテグレーション

 「8か月という短い期間で認証基盤の統合を達成できたのは、ひとえにOktaの柔軟な設計によるものだと感じています。Oktaなしでは8か月での統合は厳しかったのではないかと思っています」と齊藤氏は評価する。

 さらに、Okta導入を通じて得られた学びとして、齊藤氏は以下の3点を挙げた:

  1. Authentication Policies(認証ポリシー)の柔軟性
    Oktaでは複数のポリシーの中にルールを書くことができ、柔軟な定義が可能。ただし、個々のポリシーごとに管理が必要になるため、横断的なルール管理の改善が望まれる。
  2. SSO導入の手軽さ
    Oktaの充実したインテグレーションにより、アプリケーションのSSO化が容易。ただし、1つのSAMLアプリケーションに対して1つのエンティティIDしか登録できない仕様は注意が必要。
  3. マルチドメインの扱い
    ドメインの集約に対して大きな制限がなく、スムーズな統合が可能。シングルテナントだけでなく、ハブスポーク構成でも柔軟な対応が可能。

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京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)

ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZineには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在は、EnterpriseZineをメインにした取材編集活動、フリーランスとして企業のWeb記事作成、企業出版の支援などもおこなっている。 ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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