創業32年目、初のCEO交代となったチェック・ポイント
1993年、インターネットが爆発的に普及する前夜、チェック・ポイントはイスラエルで産声を上げた。以来、ステートフルインスペクション型のファイアウォールを考案したGil Shwed(ギル・シュエッド)氏が創業者兼CEOとして32年にわたり同社を率いてきたが、2024年12月にザフリール氏にバトンを渡している(シュエッド氏は取締役会長に就任)。奇しくもIT業界、さらには産業や社会全体がAIによる激動の時代にある中で行われた。
CPX 2025のステージに姿を見せたシュエッド氏は、「当時は24歳、はじめは3年程と思っていたが32年も経過した。我々はインターネットを安全に保っており、ここにいる全員が誇るべきことだ」と振り返る。

続いて新CEOのザフリール氏は、会場に集まった約1,700人の顧客やパートナーに事業戦略の方向性を示した。
約1時間にわたる基調講演でザフリール氏が繰り返した言葉は「セキュリティとはセキュリティ」──つまりセキュリティは華やかなバズワードやマーケティングではなく、「ハードコア、リアルなテクノロジー、リアルな人、リアルな課題、リアルな攻撃」。ここに対してチェック・ポイントは、継続的に取り組むというメッセージだ。それを裏付ける調査結果などの数字も紹介された。

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たとえばガートナー社のネットワークファイアウォール・セキュリティ分野におけるマジッククアドラントでは、チェック・ポイントは「リーダー」に位置づけられていたが、新たに電子メールセキュリティプラットフォーム分野においても同様の評価を受けたという。
ザフリール氏によると、チェック・ポイントが抱える顧客数は10万社以上。電子メール保護の領域だけでも、2024年には1万7000社を新たに獲得した。現在は約1000万のメールアカウントを保護しているとのことだ。
「チェック・ポイントは、世界中のサイバーセキュリティにインパクトを与えるための“大きな機会”があるということだ」(ザフリール氏)

なお、ザフリール氏はイスラエル国防軍のサイバー司令部を立ち上げ、多くのチェック・ポイント社員が属していた参謀本部 諜報局 情報収集部門である8200部隊で司令官を務めた経歴を持つ。直近ではベンチャーキャピタルTeam8の共同設立者兼マネージングパートナーを務めている。