PCにソフトウェアを導入して「ある程度」の使用制限を行う
特定のUSBメモリしか使用が出来なくなる市販のソフトウェアを、会社のPCに導入します。費用はかかりますが、セキュリティの向上に関するメリットは十二分にあります。
まず、特定のUSBメモリの内部データは暗号化されているので、専用のソフトウェアが導入されているPC以外では読み取ることが出来ません。PCでアクセスする際にパスワードを設定する機能があるものだと、万が一USBメモリを紛失してしまっても、内部データの機密性が保持できます。
ソフトウェアの機能として、USBメモリだけではなく、PCに内蔵及び接続しているフロッピーディスク・CD/DVDドライブ等でのメディア書き込みまで制限することができるので、データ持ち出しに対する対策効果は大きいです。
気をつけることは、Windowsの基本システムを制御するソフトウェアであるため、PCやソフトウェアの相性問題(動作が遅くなる・不安定になる)が、通常のソフトと比べて多くなる可能性があります。不安な方はメーカへの事前確認を行ったほうが良いかと思います。
使用者の操作ログの取得を行い、不要な使用を抑制する
次に、PCに対して制限をかけるのではなく、USBメモリ(厳密にはPC上でリムーバブルディスクと認識される外部記録装置)にデータを書き込んだPCの操作ログを、所定のサーバで収集できるソフトを導入するという方法です。ちなみに、先ほど説明したソフトの中にも、同様の機能(所定のサーバに操作ログを送信する)があるものが存在します。
この方法では、管理者は定期的(例えば月に一回程度)に操作ログを確認して、PC使用者に対してUSBメモリの使用状況を伝達し、監視していることを伝えます。使用者に監視していることを伝えることで、自主的に不要な使用を控えてもらうように仕向けるのが狙いです。
原則USBメモリの使用を禁止している場合であれば、サーバで受信した操作ログからUSBメモリの使用を発見した時点で、その事実を管理者の携帯等にメールを配信する仕組みを作り、速やかに管理者から担当者へ連絡を入れる緊急的な対応も実現できます。
監視している事実を社員全体に知らしめておく必要がありますが、USBメモリの操作ログが証拠に残るため、やましい操作を行いづらい状況となり、抑止力による未然防止が大きく期待できるのではないでしょうか。PCの可用性にまったく影響を与えないので、社員はいつもどおり勤務を行い、業務に支障が出ないのもポイントです。
上記のログ監視を含めたシステムを自前で用意することが可能な製品もありますが、ログ監視を24時間365日代行してくれるサービスを提供している企業も存在します。合わせて操作ログを分かりやすく分析してレポート報告をしてくれる場合もあります。
この対策で重要なのは、管理者が問題のある操作ログを確実に把握できるようにしておくことですので、監視業務をアウトソーシングすることで、速やかな使用発見と分析済みのわかりやすいログを取得できるのは、大いに注目すべき点だと思います。
実際にUSBメモリの使用監視と、使用発見時に担当者へ緊急連絡を行う社外のサービスを利用している方の話です。毎月の会議で分析済みのログを片手にUSBメモリの使用状況を報告し、不要な使用について所属に注意を行ったり、会社の情報や、業務にまったく関係のないデータ(動画・音楽データ等)のコピーが発覚した場合は、ペナルティーを検討するなど、無駄な作業を排除して業務を効率化することにも活用されているそうです。