1.視える化と視る化
敢えて商談ごとにデータを入れさせるということは、それを使う運用とセットです。そのデータがきちんと入っていれば、マネージャは営業担当に報告を求めずに済むでしょうか?週次のレビューの中で、マネージャはいくつもの商談の中から注力して支援すべきものを絞ってコーチング・支援できるでしょうか?それは、どんなリストやグラフを見て行うでしょうか?
このように、入力させるデータはその視える化の仕組みと共に、「視る」運用とセットで考える必要があります。結果、従前行われていた営業チームMTGの準備や実施工数、営業マネージャからの問い合わせ対応工数が削減できるイメージです。
2.ゴール設定
データが見えたとして、それが良いのか悪いのか把握するためにはギャップを測るための目標設定、予実管理が必要です。営業1人当たりや、営業チームあたりの目標がマネージャと営業メンバーで共有されていることが重要です。
目標にフォーカスできていない営業現場の定例ミーティングでは、営業メンバーがマネージャへ進めている商談と今週やることをダラダラと活動報告するだけの時間になります。何をやっているかを把握するだけでは単なる情報共有にしかなりません。何をしているかは商談入力で済ませている訳ですから、目標達成のために、何に注力するか?というディスカッションからスタートするべきです。
3.プロセス分解
目標とのギャップが見えたとして、そのギャップをもっと細かく見ていく必要があります。そこで必ず通るのが「フェーズ(ステージ)」の概念です。商談管理であれば、始まりから受注/失注までの道筋をいくつかの段階に切って、結果の出ていない商談の進捗状態を可視化することです。
フェーズ(ステージ)をどう切るかも重要です。これによって、今月末までにどの程度の成約に至れそうなのか、来月以降の達成は今のままで見込めるのかといった形で、より予測的にマネジメントすることができるようになります。

見積提示済みとか提案済みなど、後戻り可能なフェーズの置き方をしてしまうパターンや、Aヨミ・Bヨミなど、
以上のような商談管理を始める以前の基礎が整ってはじめて、情報を入力させる意義が出てきます。分析のための項目追加はそれからです。
こうした活きたノウハウはSalesforce社の場合、公式のナレッジサイト「サクセスナビ」や、無料のWebinarなどから学べます。高度な製品機能に加えて、Salesforce社自身の成功ノウハウによって変革を後押しできるのは彼らの強みと言えるでしょう。

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佐伯 葉介(サエキヨウスケ)
株式会社ユークリッド代表。SCSK、フレクト、セールスフォース・ジャパンを経て、2019年にリゾルバを創業。2023年にミガロホールディングス(東証プライム)へ売却。著書『成果を生み出すためのSalesforce運用ガイド』(技術評論社)。一般社団法人BizOps協会エキスパート。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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