エージェント時代に相応しい「人間中心」セキュリティの次の進化とは? Proofpointが出した答え
人とエージェントの「コラボレーション」が当たり前の今、知っておくべき「データセキュリティ」のリスク
脱・事後対応! “静的”から“動的”なデータセキュリティへ
すべてのチャネルをまたいで、統合されたデータセキュリティおよびAIガバナンスを提供するという新たなソリューション「Proofpoint Data Security Complete」と「Proofpoint AI Data Governance」が発表された。こちらは既に提供が開始されている。
Data Security Complete
Data Security Completeは、AIを活用してメールやWeb、クラウドインフラ、各エンドポイントなどをまたいだ機密データの所在特定、分類、アクセス制御を提供するソリューションだ。DLP(データ損失防止)、ITM(内部脅威管理)、DSPM(データセキュリティ態勢管理)を一つに統合しているという。
具体的には、データの悪意ある移動や誤送信のブロック、クラウドおよびハイブリッド環境における機密データの発見と分類、リスク修復、AI利用ポリシーの強制などをサポートし、セキュリティ管理・運用のコストを削減する。組織における実際の利用状況から学習して、自律的(動的)に内部リスクを検出し、データを保護し、AIガバナンスを維持する点が特徴だ。
Data Security Completeの優位性を確立する内部機能として特に強調されたのが、「Data Risk Map」だ。先述した機密データの所在や移動、アクセス状況の可視化を可能にする機能である。ユーザーは従来型の事後対応から、リスクが潜在的な段階で対処する「予防型ガバナンス」へシフトできるようになるとのことだ。
また、Data Security CompleteにはMicrosoft 365とGoogle Workplaceに対するワンクリック修復機能が備わっているのだが、これを可能にしているのもData Risk Mapだという。ユーザーは両プラットフォームに対し、不正アクセスの即時取り消し、ファイル共有設定、ファイル隔離などの対処アクションを迅速に実行できる。
AI Data Governance
AI Data Governanceは、Data Security Complete内に含まれるモジュールの名称だ。デジタル空間でのコミュニケーションにおけるデータリスクをAI技術によって検知し、マネジメントする。エンドポイントでのユーザーの動きとコミュニケーション上のリスク指標を紐づけ、AIが一つひとつのリスクを検知した理由までユーザーに提供する点が特徴だ。これにより、監視の透明性も担保できる。
社内で承認されていないAIツール、いわゆる「シャドーAI」の稼働を特定することも可能で、そうしたAIツールによる機密データの入力を検知した場合には、ブロックや編集を行うことができるという。
環境全体にわたりエージェントを制御可能に
先述の通り、今やAIエージェントも人と同様のデータセキュリティリスクを抱えている時代だ。これに対して今回発表されたのが、「Proofpoint Secure Agent Gateway」である。エージェントによる外部データへのアクセスを制御したり、監視したりできるほか、必要となれば機密データをブロックすることも可能なソリューションだ。組織のポリシーを強制的にエージェントへ適用することも可能となっている。設計には、昨今トレンドのMCP(Model Context Protocol)が活用されている。2026年第1四半期より提供開始予定だという。
今回発表された他のソリューション同様に、IT環境全体のセキュリティとガバナンスを包括的に実現する点が特徴だ。先述のData Security Completeと連携することで、人もエージェントも一貫した組織のセキュリティポリシーの下で監視、制御が可能なため、セキュリティ運用の簡素化にもつながる。
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名須川 楓太(編集部)(ナスカワ フウタ)
サイバーセキュリティ、AI、データ関連技術や、それらに関する国内外のルールメイキング動向を発信するほか、テクノロジーを活用した業務・ビジネスモデル変革に携わる方に向けた情報も追っています。
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