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Oracleラリー・エリソン氏が描く「すべてが変わる」AIの時代 熱弁された次世代ヘルスケアの全貌は

「Oracle AI World 2025」現地レポート

AIは「診断」と「輸送システム」も変革する

 AIがもたらす変革は、医療現場における診断と患者の輸送にも及ぶ。エリソン氏は、AIが救急医療システムに取り入れられることの重要性についても熱く語った。AI技術の進展により、低コストのIoT医療デバイスが開発され、自宅でも患者のモニタリングが可能となる。さらに患者が自宅から緊急治療室(ER)に移動する際、救急車が常にオンライン接続されている状態を実現するという。医師は、搬送中の救急隊員とオーディオやビデオを通じて常時連携する。救急車自体にもAIが搭載され、患者輸送の安全性を高めてくれる。Oracleは現在、この相互接続された、AIを搭載した救急車のプロトタイプ構築に取り組んでいるとのことだ。

 また、診断画像についても、AIは人間が見落としていたものを見つけ出し、より正確な診断結果を提供する。たとえば、MRIやCTスキャンでは、医師は特定の病変を探すが、AIは医師が探していない他の異常も発見できるという。

 さらに極めて早期の癌診断を可能にするメタゲノム検査デバイスの開発も進められている。これは血液中のすべての生物(患者自身の遺伝子、細菌、ウイルス、真菌)を遺伝子配列決定するもので、ステージ1または初期のステージ2の癌でも、血液中の循環腫瘍DNAの断片を発見可能だ。AIは、免疫系により自然治癒する無害な断片(偽陽性)と、直ちに治療が必要な深刻な問題を区別することもできるという。また、この技術はCOVID-19のようなパンデミックの早期警報システムとしても機能し、世界中の病院に低コストで導入されるべきだとエリソン氏は主張する。

 また農業分野では、ロボット制御の温室により水の使用量を90%削減したり、AI設計の遺伝子組み換え小麦によって収穫量を20%増加させつつ、CO2を炭酸カルシウムに変換することで大気中のCO2レベルを調整したりする技術についても言及する。エリソン氏は、AIが健康や食料、環境など、人類の生活全般をより良いものにするとして講演を締めくくった。

 エリソン氏がここ最近、ヘルスケア領域に高い関心を示していることは明らかだ。Cernerの買収とその後のエコシステム全体の自動化戦略に、それが如実に表れている。そして、エリソン氏の基調講演が単にAIの重要性を示すだけでなく、データとAIを具体的な課題解決に活用することに深く踏み込んでいる点が、彼が描くビジョンの核心と言えるだろう。

 同氏はAIを道具として利用するだけでなく、人間だけでは解決不可能だった複雑な問題に対し、具体的な手順とソリューションを確立できることを示した。AIは人間よりもはるかに速く推論し、戦略を立て、問題を解決でき、それによりもたらされる生産性向上の効果は計り知れない。OracleがAIを単なるクラウドサービスとしてではなく、インフラとアプリケーションを統合し、エコシステム全体をモダナイズする手段と捉えていることが、今回のOracle AI Worldの最も重要なメッセージだろう。

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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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