企業において、サーバー仮想化は、コストダウンやCO2削減につながり管理効率が上がるという。クラウド運用と相まって、エンタープライズサーバーの仮想化はソリューションとして定着しつつあるが、実は管理効率については落とし穴がある。それが、ネットワークだ。ネットワーク機器とその構成を適切に仮想化してやらないと、効率化には限界がある。データセンターにおけるWANエッジ、アグリゲーションレイヤ、L2スイッチの仮想・集約化の構成方法についてのセミナーが開催された。
サーバー仮想化によりネットワーク環境がボトルネックに
4月26日、東京ステーションコンファレンス(丸の内)にて、日本情報通信およびネットワールド主催による「ネットワーク仮想化統合セミナー」が開催された。

クラウドブームやIT投資に対する企業の要求などから、サーバーの仮想化統合、データセンターへの集約が進んでいるが、ネットワーク機器の構成については物理接続を伴うため、サーバー統合のように抽象化が十分とはいえない状況がある。
このセミナーは、ネットワーク機器をサーバーと同様に仮想化し、統合的に管理しようという主旨の元、ジュニパーネットワークス、ブレード・ネットワークス、日本アイ・ビー・エム、チェックポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ、ヴイエムウェア(講演順)等によってそれぞれのテクノロジーやソリューションの効果的な適用、ノウハウなどを解説するものだ。
まず、開会の挨拶として日本情報通信 代表取締役社長 野村雅行氏が登壇し、ネットワーク仮想化の背景として、昨今のITシステムの動向を解説しながら、サーバーの仮想化が進むことによって、CPUの負荷は増加傾向にあることを述べた。

そのため、CPUのマルチコア化はもとより、ネットワークトラフィックのボトルネックの解消が重要であるとし、VMと外部ネットワークの間はFCoE(Fiber Channel over Ethernet)などの高速回線を導入し、VM内部ではVM間トラフィックを仮想ネットワークカード(vNIC)によってハイパーバイザ―の負担を軽減することが重要となっている現状を説明した。そして、今回講演する企業はそれらの個別の技術やソリューションを持っているとし、これがセミナーのメインテーマであると述べ、挨拶を終えた。
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中尾 真二(ナカオ シンジ)
フリーランスのライター、エディター。
アスキーの書籍編集から始り、翻訳や執筆、取材などを紙、ウェブを問わずこなす。IT系が多いが、たまに自動車関連の媒体で執筆することもある。インターネット(とは言わなかったが)はUUCPのころから使っている。※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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