スマートフォンを日本人仕様にカスタマイズ
iモードサービスが開始された1999年から、高推移で加入者を増やしてきた携帯電話も、徐々に飽和期を迎えつつある。それに代わって急成長を遂げているのが、スマートフォン市場だ。その内訳を見てみると、iPhone、iPadによる増収が報じられたソフトバンクに対して、NTTドコモは若干遅れたかのような感は否めない。しかし、今後はNTTドコモならではの強みを生かし、猛追が期待できそうだ。
その1つのカギとなるのが「スマートフォンの洋食化」にあると山本博昭氏は語る。「インドから来たカレーも、日本人に好まれるよう手が加えられ“カレーライス”として愛されている。同じように海外の端末をそのままでは、iモードなど日本独自の優れたサービスを利用することができない。携帯端末もクラウド時代に対応しながら、既存のリソースを活かす方向で考えたい」(山本氏)。
具体的な取り組みとして山本氏は3つの施策をあげた。第一に端末のラインナップの充実、そして第二にスマートフォンを使いよくするための料金システムの改訂、そして、第三にiモードなど日本独自のサービスを併用できるようにすることである。端末としては、2010年夏モデルとしてMicrosoft Windows Mobile 搭載の「dynapocket T-01B」、SHARP製「LYNX SH-10B」、BlackBerry Bold 9700などが発売されており、さらに秋から冬にかけて6機種が登場の予定。トータルで100万台の販売目標を目標としている。
そして、スマートフォン向けISP「spモード」として、9月よりiモードのメールアドレスの利用やアクセス制限サービスに加え、そして毎月の携帯使用料金と一緒に支払えるコンテンツ決済サービスも展開予定だという(BlackBerryは11月対応予定)。加えてスマートフォン向けポータルの開設および拡充や料金プランの一本化、おサイフケータイなどiモード上の人気サービスの提供など、スマートフォンの「カレーライス化」のための施策が続々と用意されている。