仮想化によるコスト削減に欠かせない運用管理
ようやく景気回復基調となってきた日本経済。しかしながら企業のIT投資は、引き続き抑制傾向にある。そのような厳しい状況だからこそ、企業はより一層のコスト削減、効率向上が実現するものへの厳選投資を行っている。仮想化技術の活用が急速に拡大しているのは、その傾向を顕著に表している。IT専門の調査会社であるIDC Japanによると、サーバー仮想化ソフト市場は、年平均22.2%と急成長しているという。
コスト削減・効率向上を目的に導入を進められてきたサーバー仮想化。しかしながら導入が進むにつれ、コスト削減やハードウェアの効率向上という効果を最大限に発揮するためには、それに合った運用管理が重要になることが分かってきた。この課題を解決するために登場したのが、昨年夏リリースされた「JP1 Version 9(以下、JP1 V9)」である。
JP1 V9は、仮想環境におけるITリソースの効率化および運用業務の効率化に注力した3年ぶりのメジャーバージョンアップ版である。同バージョンでは、リソースプール化によりITリソースの効率利用と運用管理部門における業務の効率化を実現した。そしてJP1 V9 登場から1 年。導入ユーザーの声から仮想環境におけるITリソースの効率化と運用業務の効率化をさらに一歩前進させたのが、今年6 月28日にリリースされた「JP1 V9.1」である。
仮想環境におけるITリソースの効率化という観点での強化ポイントは、運用サイクル全般にわたってのITリソースの一元管理によるコスト最適化を図ったことである。また運用業務の効率化という観点での強化ポイントは、運用管理部門に加え、利用部門も含めた運用業務の最適化を図ったことである。
先述したようにJP1 V9 ではプール化により、仮想環境におけるITリソースの効率化は実現された。しかし、導入したユーザーなどにヒアリングしたところ、リソースプール化した環境での運用において、解決を図らねばならない複数の課題が挙がってきたのである。「リソースプールの運用において複数のツールを使いこなすのが大変」「中長期で必要となるリソース保有量が分からない」「ITリソースの追加・変更に伴う作業負荷が高い」「システム構成変更時の運用負担が大きい」など、これらの課題を解決するために、JP1 V9.1 では様々な機能強化・拡張を図っている。
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