中長期レンジでのリソースの削減・補充計画が立案可能
第二の課題は、「中長期で必要となるリソース保有量が把握できないため、最適化が難しかったこと」である。JP1 V9では、その時点での利用実態は把握できるようになった。しかし、この先どのくらいリソースが必要なのかなど、履歴に基づく傾向はつかめなかったのである。例えば、サーバー台数を見直すように指示されても、今後の使用量が分からないため、将来に向けた最適化が図れなかったのだ。
この課題もJP1 V9.1 で解決できる。JP1/ITRMはITリソースの使用実績を確認するだけではなく、中長期レンジでのリソース使用計画を確認し、リソースの削減・補充計画を立案する(図3)。これによりIT リソースの保有量の最適化を図るための判断材料が得られるというわけだ。
第三の課題は、「IT リソースの追加、変更に伴うインストールや設定作業などの負荷が大きいこと」である。従来のシステムでは、管理対象が増えるたびに、エージェントのインストール作業をしないと管理できなかったり、ITリソースの構成が変わるたびに設定をし直さないと利用実績が把握できなかった。ビジネス環境は日々変化しており、企業情報システムもそれに柔軟に対応することが求められている。このようなビジネス環境において、従来のシステムのままでは管理者の負担が増える一方である。
これを解決するためJP1/ITRMでは、ITリソースの検出から制御に至るまでの一連の管理をエージェントレスで実現する。これにより、管理対象にエージェント製品をインストールする手間と時間が大幅に削減できるというわけだ。ここも競合他社製品との差別化ポイントである。
しかもJP1/ITRMであれば、ITリソースを追加・変更する際の運用負荷も軽減してくれる。特別な設定をしなくても実績確認ができるようになるからだ。例えば、新しくITリソースを追加した場合、特別な設定をすることなく、ITリソースが検出され、リソース使用量の実績の記録が開始されるのだ。
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