ITが現場に歩み寄るCosminexusで強い現場を取り戻す
日立は、Cosminexusを提供することで、これら課題解決のサポートを行っている(図)。最初の作業手順など重要なノウハウの属人化の課題には、uCosminexus Navigation Platform(uCNP)の適用が効果的だ。さらに、2 つ目の課題であるドキュメント修正の問題は、uCosminexus DocumentBrokerを使うことで作成した仕様書などの版管理や共有も容易に行えるようになる。文書間の依存関係なども管理できるので上流の文書と関連づけた管理も可能だ。
また、uCosminexus EURを利用すれば印刷イメージで容易に帳票が作成でき、頻繁な文書修正に誰でも迅速に対処できる。そして、uCosminexus Service Platform - WorkCoodinator を使えば、対話型のワークフローを容易に構築でき、並行する承認作業の管理も容易となり、進捗状況も一目で可視化できる。
そして、これらツールの中でもuCNP は、他社にはないソリューションだと吉村氏は強調する。uCNPは、コールセンターやサービス部門などですでに数多くの実績があるツールで、個人が行っている作業手順を簡単にフローチャート化でき、間違いのない作業手順を容易に共有可能だ。フローチャート作成には、プログラミングスキルは一切不要で、ドラッグ&ドロップなど直感的作業で行える。これにより、いままで属人化しなかなか共有できなかった現場ノウハウや経験知を、有効に活用できるようになる。
uCNP の最大の特長は、ITシステム化されていない手順を標準化し共有できるところだ。そして、一度フローチャート化したプロセスの修正も極めて容易だ。他社の開発現場用ソリューションなどでも、典型的なプロセスをシステム化し管理できるが、一度設定したプロセスを柔軟に変更できるものは少ない。さらに、uCNPでは改善のPDCA サイクルを回す過程の詳細な記録も可能だ。得られる作業ログを統計解析すれば、どのプロセスに時間や手間がかかっているかが明らかになり、さらなる改善へつなげることも可能となる。
多くのアプリケーション製品は、現場効率化のために現場作業をITに合わせさせようとするものが多い。「uCNPは、ITのほうから現場に寄っていき、その結果で現場を強くするツール」と吉村氏は強調する。
Cosminexus は、現場のやり方を変える形で、無理矢理ITで管理しようとするものではない。現場の状況に応じ、現場のニーズに合った解決策を提供するものであり、これを活用することで日本の強みである「強い現場」を手に入れられるのだ。