ネットワンシステムズは、「社員に寄り添うAI」をコンセプトとした、社内用の個人向けAIエージェント「NetOne Claw」を独自開発し、2026年8月に全社展開を開始した。
NetOne Clawは、DatabricksのData + AIプラットフォームを活用しており、社員からの要望に応じて継続して機能を拡充しているとのこと。一般的なAIエージェントが担う業務遂行よりも、「社員や会社の状況を把握し、伴走型で寄り添って業務を支援する」点を重視して開発したAIエージェントだとしている。
たとえば、朝に当日の予定を教えてくれる、会議前に出席者と論点を教えてくれる、重要な人からのメールを教えてくれる、社内ニュースから自身に関係の深い情報を教えてくれるなど、各社員に必要な情報を、各社員の状況に応じて、必要なタイミングで自律的に提供するとのことだ。
また、回答精度の向上に向けて、社員・組織・業務の文脈(コンテキスト)をAIに提供する「オントロジー」の構築機能を備えているという。将来的には、会社全体をカバーするオントロジーを構築し、NetOne Clawが各社員の信頼できる相棒として、会社全体の知見を持つ状態を目指すと述べている。
加えて、NetOne Clawを通じて蓄積したAIエージェント開発・運用の知見を、顧客へのAI基盤の提案・構築・運用の各側面にも活かしていくという。

現在の「NetOne Claw」が可能な業務支援の例
NetOne Clawは、チャットアプリを操作窓口として、各社員のPCにインストールして利用するもの。社内システム(メール、予定表、チャット、Web会議、クラウドストレージ、社内ポータルサイトなど)やPC内のファイルと連携することで、以下のような業務を支援するとのことだ。
- 当日の予定を毎朝自動的に通知:日々の業務を円滑に開始するために、毎朝、当日の予定や直近の業務リストを解説コメントとともに自動的に通知
- 会議準備の自動化:会議出席者の過去メールとクラウドストレージ情報から、会議前に、出席者一覧と要確認事項(項目と詳細)を自動的に通知
- 会議調整の自動化:会議出席者名をチャットすると、会議室も含めたスケジュール候補を自動的に通知。希望予定日時を選択すると、自動的に出席者と会議室の予定表へ反映
- プロジェクト管理の自動化:プロジェクトのチャットルームやクラウドストレージフォルダを登録すると、当該プロジェクトの現在の状況・直近のトピック・次のアクションなどについて、チャットで質問すると自動的に回答
- 新規業務の整理の自動化:新規業務を開始する際に、概要をチャットするとヒアリング項目を自動生成。その回答に応じて、作業一覧とスケジュールを自動的に生成し、予定表に自動登録
- 重要メールの自動通知:メールの重要性を送信元と件名から自動的に評価。重要なメールを受信後、2時間以上返信していない場合には、その旨を自動的に通知
- 社内情報の横断検索:探したい社内情報をチャットすると、メール・チャット・クラウドストレージ・社内ポータルサイト・PC内ファイルを横断して収集し、該当情報をリスト化
- 週報・日報の自動作成:メール・チャット・ファイルの作成履歴などをもとに、週報や日報を自動作成(最大10テーマ:各2~3行で要約)。追加設定で上司に自動メール送信も可能
- 社内ポータルサイト情報の自動通知:メール・チャットなどから関心テーマを自動抽出。それをもとに、週に一度、社内ポータルサイトの周知情報の中から自身に関連性が高いものを収集し、その理由とともに自動通知
「NetOne Claw」のセキュリティ対策
企業利用に適合するよう、業務効率向上とセキュリティを両立する水準でAIエージェントの権限を限定する、以下のセキュリティ対策を導入しているとのことだ。
- 権限の制御:管理者側で、利用可能なデータの範囲や連携先のシステムを制御。また、社内システムへのアクセスは、各社員の権限に準じて許可(シングルサインオン)
- 実行不可:各種パスワードやAPIキーの取得、メール送信(会議予約を除く)、ソフトウェアのインストール、ファイルの書込・削除は実行不可
- 限定許可:メールやPC内ファイルの取得は、各社員が指定したフォルダ内のみ許可。また、メールは件名と送信者のみ取得し、本文は取得不可
LLMサービスの利用料低減の取り組み
AIエージェント運用のコスト要因となるLLMサービスの利用料について、以下のコスト低減の取り組みを図っているという。全社展開に先立つ1ヵ月間の試用では、同取り組みによって約80%のコスト低減効果があったとしている。
- 場面に応じて、回答品質を維持しつつ、より安価なLLMモデルを選択して使用
- LLMの処理量を削減する、応答キャッシュや形態素解析(意味を持つ最小単位への分解)の活用
- LLMを経由せずにタスクを完了する、スラッシュコマンドの活用
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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