IBM WAS V8でJava EE 6をサポート
IBMでは、このJava EE 6について、率先し積極的にサポートしている。来年提供予定の次期バージョンのV8でJava EE 6をサポートする予定だ。すでに2010年3月にはαバージョン、6月には最初のβバージョンを提供しており、開発者にJava EE 6の新たな世界を体験してもらっている。そして、利用者からの様々なフィードバックを反映し、β2の提供を2010年10月から開始している。このβ2では、Java EE 6のほぼすべてのAPI能を網羅するものとなっている。
WebSphere Application Server V8のもう1つの特長が、OSGiのサポートだ。OSGiは、Javaのためのモジュール基盤システムだ。Javaのアプリケーションを開発し利用しようとする際に発生する、アプリケーションサーバーのライブラリとアプリケーションのライブラリの競合や、アプリケーションによって要求するライブラリのバージョンが異なるなどの課題を解決できるのが、OSGiのモジュール基盤なのだ。
「OSGiもここ最近大変注目されている技術であり、IBMはこれにも力を入れているところです。OSGiはJavaのモジュールシステムの混乱を、根本的に解決してくれるでしょう」と田中氏。コンポーネントをモジュール化することで、モジュールの再利用の容易化、動的ローディングによる効率化、バージョニング問題の解決などが可能となるのだ。
実は、V8の登場を待たずとも、JAX-RSやOSGi対応の機能は、Feature Packという形で現行バージョンのWebSphere Application Server V7ですでに正式サポートされている。これらの機能を利用したい場合には、Webサイトから無償でダウンロードしWebSphereに追加できるのだ。
今回サポートするJava EE 6の仕様は、完成度も高く今後長期にわたり利用されるものになるだろうと田中氏は言う。とはいえ、Javaを主導してきたSun MicrosystemsのOracleによる買収などもあり、現状、Javaの世界はプレイヤーの入れ替わりが激しい状況にもなっており、混沌としている。
そんな中にあっても「IBMは今後もJavaのアプリケーションサーバーを提供します」と田中氏。IBMは1998年というかなり早い段階からWebSphereというアプリケーションサーバーの提供を開始しており、長期間にわたりサポートを続けている。その実績と安定性には、確かな自信があると言う。そして、基本的なIBMのソフトウェア製品については、標準サポートが5年間、延長サポートが3年間というサポートポリシーを表明しており、先進性をいち早く取り入れるだけでなく、長期にわたり安心して使ってもらえる製品だとのことだ。
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