情報共有タイプと教育啓蒙タイプ
前回、「会議の目的によって会議の型が変わってくる」ということで、「情報の流れ」と「情報の影響」という2つの軸で会議を整理し、4つの種類に分けることが出来るとお伝えしました。
- 意思決定タイプ
- 問題解決タイプ
- 情報共有タイプ
- 教育啓蒙タイプ
これは、誰から誰に情報が伝わっているのかという点と、その情報は場に対してどのような影響を与えるかという点で考えた分類です。
A.意思決定タイプとB.問題解決タイプについては前回説明したので、今回はC.情報共有タイプとD.教育啓蒙タイプについて触れます。
情報共有タイプの会議におけるポイント
集団で行動する以上、組織内での情報共有は必要になります。その情報は一人から提供されるものかもしれませんし、複数人から別々の情報が提供されるのかもしれませんが、確かなことは、情報を共有するという行為は、誰かが持っている情報を他のメンバーに伝える行為です。
ただし、情報を共有するにも手間や時間がかかります。闇雲に誰とでも情報を共有すれば良いというものではありませんし、場合によっては情報共有すべきではなかったということもあり得ます。その際にポイントとなるのは、誰と情報を共有するかという点です。
次のような状況を想像してみてみましょう。
情シス部長とCIOはコスト削減によって経営効果を高めることを画策しているようですが、コストの削減とサービスレベルの低下は相関関係があるため、ユーザにとっては利便性を損ねて自分たちの負担が増すことにつながります。
この例で登場した経理部長はユーザである経理担当者の立場で物事を考える人ですが、アウトソーシングの検討段階でこのような人物に情報共有を行ってしまうと、その後の検討を恣意的に変えられてしまう恐れがあり、できればもう少し分析が進んだ後で情報を伝えるべきでした。
情報共有タイプの会議では、ステークホルダー(利害関係者)がキーパーソンであり、どのステークホルダーをどの段階で巻き込むかというのは非常に重要です。誤ったタイミングで巻き込んでしまうと、意図しない情報のリークが発生することもあります。
少し前にあった話ですが、A社とB社が企業合併を進めている際、合併を望まない幹部を早期に巻き込んでしまったことで情報が漏洩し、合併が潰されてしまったということもありました。