この調査は、国内で業務用ビデオ会議/Web会議/音声会議システムを製造するメーカー、それらを販売するベンダー企業など83社を対象として行われたもの。シード・プランニングは、2003年以来、毎年同調査を行っており、今回は8回目となる。シード・プランニングでは、調査結果をもとに世界市場と日本市場の現状と将来展望についてまとめている。
発表によると、映像・音声会議システム市場は、2002年からWeb会議の参入企業が増加し、ユーザーは用途に応じて、ビデオ会議専用端末タイプ、Web会議(SIタイプ、ASPサービス)、音声会議の3種を使いわけるようになり、いずれのタイプも増加しているという。
HD化が進むビデオ会議。2010年は80%、2012年に94%がHDに
専用端末タイプの国内ビデオ会議システムは、2007年からHD化が進んでいるという。それは、この市場の上位メーカーであるポリコム、シスコシステムズ(元タンバーグ)、ソニービジネスソリューションズ、LifeSize(日立ハイテクノロジーズ)がSDタイプから価格の高いHDタイプに製品をシフトしていることが大きな要因になっているという。2009年には、販売台数の半数がHDタイプに、2012年には100%近くがHDタイプになるとしている。
また、ビデオ会議システムにおける世界シェアは、ポリコム、シスコシステムズ(元タンバーグ)が上位メーカーであり、日本市場でもポリコムが台数、金額ともシェア1位になっている。しかし、それを追う形で2008年からHDタイプの製品によって各社がシェアを拡大しているという。
一方、Web会議システムにおけるサーバー導入型のSIタイプとインターネット経由のASPタイプの国内市場における動向を見ると、売上金額で2007年のASPタイプ約34%から2009年は41%に増加している。また、導入社数では、2008年ASPタイプが61%で、SIタイプが39%となっているという。
映像・音声会議市場は、2014年に570億円、2020年に2,000億円と予測
同調査によると、2008年における国内の映像・音声会議システム市場は286億円で、専用端末タイプのビデオ会議と音声会議サービスが68%、Web会議は21%であったという。発表によると、2010年以降はWeb会議システムの伸びが大きくなると予測しており、、2014年に映像・音声会議システム市場の32%、2020年では50%になり、専用端末タイプのビデオ会議システム市場に並ぶ規模になるとしている。
さらに、映像・音声会議システムの市場は、2010年の329億円から2014年570億円に、2020年には2,000億円にふくらむと予想。クラウドコンピューティング、タブレット端末、スマートフォンのビデオチャットが普及し、それらにより2015年以降から新たな市場が創出されるとしている。その場合、それまでの「会議用途」以外に「業務支援」や「業務」そのものに映像コミュニケーションが活用されることになるいう。
その結果、2020年の映像・音声会議システム市場は既存システムの2,000億円に加えて、クラウド、タブレット端末、スマートフォンなどの映像コミュニケーション市場の6,000億円が加わり、8,000億円の規模になると予測している。
なお、調査結果の詳細は、調査研究レポート『2011ビデオ会議/Web会議の最新動向 ~映像コミュニケ-ションの新しい動き~』(126,000円、2011年3月22日発刊)として販売されている。
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