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3.11以降、ユーザー企業はIT投資をどのように変えたのか

株式会社アイ・ティ・アール 代表取締役/プリンシパル・アナリスト 内山悟志氏


3.11以降、BCP、DRを中心とした問い合わせが急増したと話すベンダー、SIerは多い。ユーザー企業は未曾有の震災を受けてIT戦略にどのような変更を加えているのだろうか。本稿では、7月14日に開催されたIBM WebSphereブランドの年次カンファレンス「Impact 2011 JAPAN」の基調講演から、株式会社アイ・ティ・アール 代表取締役/プリンシパル・アナリスト 内山悟志氏による講演の模様をレポートする。

2011年のIT投資動向は普遍的な課題解決に意欲的

株式会社アイ・ティ・アール 代表取締役/プリンシパル・アナリスト 内山悟志氏
株式会社アイ・ティ・アール
代表取締役/プリンシパル・アナリスト
内山悟志氏

 株式会社アイ・ティ・アール(以下、ITR)が毎年秋に実施しているユーザー企業の投資動向調査の結果によれば、2008年のリーマンショック直後に見られたIT予算抑制は徐々に緩和されつつあることがうかがえる。

 特に、2010年末に行った調査では2011年の予算が2008年の水準にまでほぼ回復している。今回の震災がどの程度の影響を及ぼすかについては後述するとして、ここではリーマンショック後のコスト抑制期間に「企業の意識も変わり、IT投資対象に質的な変化が生じている」(内山氏)ことに注目しておきたい。

 IT投資の内訳を尋ねる設問を見ると、2008年を境に「IT基盤の統合・再構築」「仮想化技術の導入」という2つのテーマが「内部統制」に変わって1位、2位を占めるようになった。特に「IT基盤の統合・再構築」ついては、現状の実施率は22.3%いう低い数字だが、3年後までに実現したいと回答する企業は全体の72.1%に達している。震災による影響を度外視すれば、「企業は2011年度をIT構造改革の年としようとしていた」(内山氏)と見ることができそうだ。

 もちろん、調査結果で示した意向通りに各企業が実践するとは限らない。例えば、「マスタ・データの統合」「情報・ナレッジの共有」といったデータ活用関連のテーマは毎年のように重要課題に上がるものの、実施率は長年にわたって低迷している。重要性は分かっているものの、即効性がないテーマについては取り組みが進まないことも事実だ。しかし、実施する・しないは一旦、脇に置くとしても、各企業がIT基盤の再統合を重視していることは注目に値するだろう。

 このような経営効果に直結するIT投資への傾向は、最重視課題に関する調査でも一致している。2010年度と2011年度を比較すると、1位は「売上増大への直接的な貢献」といった攻めの課題、「ITや業務コストの削減」といった守りの課題も上位にみえる。内山氏は「『ビジネス貢献』という考え方が『ITの構造改革』と並び、企業のIT課題として強く認識されている。これまでITは縁の下の力持ちとして業務効率化や生産性向上、コスト削減などに大きく寄与してきた。しかし、もう一歩ビジネスに踏み込み、直接的に収益に貢献していきたいという経営者の期待、CIOや部門長の意気込みが見える」と分析。まさに時代の要請がうかがえる。

図2:震災前の投資動向
図2:震災前の投資動向(※本記事中の図版の出典は全て内山氏の講演資料)
図4:2011年度は「IT構造改革」の兆しがうかがえる
図4:2011年度は「IT構造改革」の兆しがうかがえる

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震災の負の影響は限定的、IT投資の対象は見直しへ

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この記事の著者

伊藤真美(イトウ マミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ビジネスやIT系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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