複雑な要件を満たすデータベース移行には十分なノウハウと経験が必要
「古いバージョンから新しいバージョンへの移行はもちろん、コスト削減や災害対策を目的にサーバー統合を行う際、あるいは新たにクラウドコンピューティングを利用したいときなど、さまざまな理由でデータベースを移行しなければならない企業がたくさんあります」
―NTTデータ先端技術株式会社 オラクル事業部 技術担当 基盤技術グループ エキスパートの佐藤雄一氏によれば、企業にはデータベース移行のさまざまなニーズがあると言う。UNIXからLinuxにプラットフォームを変更したり、Oracle9iからOracle11gへとバージョンを飛び越えたりする場合には、移行にかなりの手間が発生することも多い。
もちろん、単純なバージョンアップなどの場合には、手間もかからずスムースに移行できることも多い。とはいえ、実際にはバージョンアップを機にプラットフォームの変更が行われたり、一部のアプリケーションに手を入れたりすることも多々ある。そして、データベースを活用しているシステムの多くは24時間365日稼動しており、移行の際にもなるべくシステムを止めたくないという要望もある。
NTTデータ先端技術では、Oracle技術支援サービス「NTT Data Intellilink Professional Services(NIPS)」を提供している。これは、米国オラクルおよび日本オラクルとの数多くの共同技術検証や定期技術情報交換、さまざまな実システム案件で培った経験と実績をもとに提供する技術支援サービスだ。
さらに、Oracle製品の検証やデモ環境の構築などを実施するための施設として、月島ソリューションセンターを用意している。ここではいち早くOracle製品の実機による検証作業を行っており、過去の経験だけでなく、最新のOracle製品を活用するためのノウハウ蓄積にも余念がない。
NTTデータ先端技術では、それらを活用し仮想化、サーバー統合、クラウド、エコなど、差真の顧客課題を解決するための各種サービスメニューを提供している。
そのようなNIPSのサービスメニューの1つに、Oracle GoldenGateを活用したデータベース移行支援サービスがある。
「データベースのExport/Import機能を単純に利用するだけではうまくいかない、複雑な要件での移行やバージョンアップを支援することが非常に多いです」と語るのは、オラクル事業部 技術担当 COE エキスパートの吉田成利氏だ。
吉田氏によれば、実際のデータベース移行案件では、移行のための時間が限られている、移行するデータが大量にあるなど、最適な移行方法を十分に検討しなければならないものが多い。さまざまな移行案件に対し、経験や蓄積されたノウハウ、さらにはそれらをもとに作成したテンプレートやツールを利用することで、移行作業がトラブルなく迅速に行えるようになる。そして、ノウハウに加え、新たにOracle GoldenGateを用いることで、さらに迅速かつ安全にデータベースの移行が可能になる。
GoldenGateは、独自のログ取得/適用機構を採用したOracleの新しいデータ連携の仕組みだ。高速でデータ連携時のシステム負荷も少ないため、データベース移行の際の顧客の高度な要求課題を解決するのに、大いに役立つという。