メモリの状態を確認するための機能
ここからはSQL Serverのメモリの状態を確認するための機能(動的管理ビューやパフォーマンス カウンタ)についてご紹介していきます。
メモリ管理の変更に伴う動的管理ビューの変更は主なものは次のとおりです。
- Single Pages(8K)とMulti Pages(>8K)がそれぞれ別で出力されているものは合計に変更
- サイズの単位をページ数からKBへ変更
DenaliではSingle Page AllocatorやMulti Pages Allocatorコンポーネントはなくなりましたので、動的管理ビューも1つの項目となります。例えばsys.dm_os_memory_nodeのsingle_pages_kbとmulti_pages_kbの項目はDenaliではpages_kbとなります。
変更になった動的管理ビューと項目、またSQL Server 2008 R2の対応する項目は次のとおりです。
sys.dm_os_memory_nodes
sys.dm_os_sys_info
sys.dm_os_memory_cache_counters
sys.dm_os_memory_cache_entries
sys.dm_os_memory_clerks
sys.dm_os_memory_objects
パフォーマンス カウンタの主な変更は次のとおりとなります。
- Buffer Managerオブジェクトの項目はMemory Managerオブジェクトに移動
- AWEに関連するカウンタの削除
- Buffer NodeオブジェクトをMemory Nodeオブジェクトに移動
- Buffer Partitionオブジェクトの削除
- サイズの単位をページ数からKbyteへ変更
バッファ プールはメモリマネージャのクライアントコンポーネントに変わったため、バッファプールの主要な項目であるTotal Pages、Target Pages Free PagesはMemory Managerに移り、単位もページ数からKBに変更になっています。
また、AWEを使用した4GBを超えるメモリのサポートがなくなりましたので、AWE関連のパフォーマンスカウンタは削除されています。
変更になったパフォーマンスオブジェクトとカウンタ、 SQL Server 2008 R2の対応する項目は次の通りです。
以上、2回にわたってDenaliのメモリ管理についてご紹介しました。いかがでしたでしょうか。表面上はあまり変わっていないように見えるかもしれませんが、内部が大きく変わっていることをご理解いただければと思います。
次回はDenaliの新しい機能の中でも最も注目される機能、新しい高可用性とディザスタ リカバリソリューションのAlwaysOnをご紹介します。