ビッグデータ時代のDWHにアジャイルアプローチが最適な理由
保坂氏はまず、"ビッグデータ"という言葉は「大容量、即時性、非構造化」という3つの特徴で言い表せると定義。さらに核となる"データ"の特性として「流動性、品質、重み」が挙げられるという。つまり、ビッグデータを扱うDWHは「システムの上に載せる膨大で多様なデータが、日々、内容も優先順位も変わっていくという前提でつくらなければならない」と語る。日々の変化に耐えうる柔軟性が重要なポイントと言えるだろう。
一方、経営層や業務ユーザからみたDWHのイメージは「データがない、使いにくい、遅い、お金だけかかる、(ビジネスに)貢献していない、柔軟性がない」とあまりよろしいものではないようだ。DWHに対してこうした反応が起こる理由はさまざま考えられるが、保坂氏は「開発サイドとユーザサイドの声が分離されがちなウォーターフォール型で開発されていることに大きな要因がある」と指摘する。そもそもDWHに限らず、開発サイドとユーザサイドがそれぞれに思い描くシステムの間にあるギャップを埋めることは根本的に難しい。そしてそのギャップは大きければ大きいほど埋めるのに苦労する。しかし逆に言えば、そのギャップが小さければ解決できることも増えるはずだ。そして両者間のギャップを小さくし、共通イメージに近いDWH構築を開発にするのがアジャイルアプローチだという。