CLMソリューションを実現した統合フレームワーク
IBM Rational CLM ソリューションはRational Requirements Composer(要求管理)、Rational Team Concert(構成・変更管理)、Rational Quality Manager(品質管理)の3つの製品がシームレスに統合することで可能となった。そのコラボレーション基盤にはIBMが開発したJazzプラットフォームが使われている。かつて開発ツールの統合プラットフォームとして Eclipse を作り上げたように、サーバーサイドの統合プラットフォームを実現した。
異なるベンダー間の製品を連携するに n 対 n の複雑な関係になる言わばスター型であるが、IBMが Jazzプラットフォームで目指しているのは、ハブ・スポーク型でのスマートなライフサイクル管理の統合である。(下図)
Jazzプラットフォームを中心にすることのメリットは、あらゆる成果物や情報のリポジトリー、さらにはユーザーの管理を集中化できる点にある。担当者は管理システムの隔たりを意識することなく作業に集中できる。要素技術には Web を採用しており、主にWebブラウザーからアクセスする。前ページの「追跡可能性・ビュー」の画面は、列ごとにリンク先のシステムが異なっているが、画面を切り替えたりログインし直したりすることなく情報にアクセスできることの手軽さは魅力的だ。
異なるベンダー間の製品を統合するにはデータの違いやAPIの実装技術の違いなどのハードルがあるものだが、Open Services for Lifecycle Collaboration(OSLC)という標準化団体で管理データのスキーマとAPIの標準仕様化を進めている。要素技術は XLM とREST APIを使うことが決まっており汎用性が高い。IBMは発起人の一社として仕様策定の活動を行っている。まさにここで決まった仕様を実装したものがJazzプラットフォームなのである。
以上のように、IBM Rational CLMソリューションは、ソフトウェア開発の生産性をコラボレーションにより向上することで、ビジネスにおけるITの貢献を高めることができる。さらにALMシステムを統合する開発プラットフォームとしては、オープンな仕様に則っており拡張性・柔軟性の面で将来性がある。より高い次元のソフトウェア開発を実現するプラットフォームとして、CLMが注目されている。
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・同時掲載のCodeZine記事『“アジャイル”の次へ:IBMの開発プロセス戦略の今(1)RUPはどこに消えたのか?』も併せてご参考ください。