まず砂金氏は、Windows AzureがクラウドサービスとしてはGoogleやAmazon Web Servicesの後発となるものの、すでに世界で6カ所のデータセンターを運営し、日本でも富士通と共同でパブリッククラウドサービスを提供している点をアピール。他社のサービスとの違いについては、「AzureはPaaSであり、開発者のために管理を自動化する様々な仕組みを用意している。インフラ担当者からすると深いところがいじれなくてもどかしいかもしれないが、Azureはインフラの面倒を気にすることなく開発者が気ままに使えるのが特徴だ」(砂金氏)と説明した。
すでにAzure上で稼働しているアプリケーションとして砂金氏は、電通レイザーフィッシュが提供するFacebookページ運用統合管理ツール「sociobridge」を挙げた。同ツールは「低コスト」であることを前提に開発されたもので、「Facebook用のCMSは数多く存在するが、低コストで運用しなければビジネス的に元が取れない。sociobridgeはマルチテナント型なので、顧客数が増えてもそれぞれの顧客用のインスタンスは作っておらず、だからこそ低コスト運用が可能となった」と砂金氏は話す。
また、ミクシィのクリスマスソーシャルキャンペーン「mixi Xmas 2011」もAzure上で稼働した例だ。「mixi」にてつながる友人のページを訪問し、ページ上のベルを鳴らすことでポイントがたまりプレゼントが手に入るという仕組みで、約250万人がユーザー登録し、約150万人のアクティブユーザーが日々mixiを訪問、約1億8000万回のベルが鳴らされたという。