リーンスタートアップとは
多くのIT系スタートアップが起業から数年も経ず姿を消します。私たちはそれを「ベンチャー企業に失敗はつきものだから」と当然視しがちですが、実はその失敗の多くは製品が開発できなかったからではありません。製品を「誰も欲しがらなかった」からなのです。つまり多くの企業は「失敗を達成した(作るべきでない製品を作った)」のです。
このように「間違った製品を構築し、そしてそれに長い時間をかけ、構築に無駄なお金をかけるだけでなく、その間違った製品を売ろうとセールスやマーケティングに多額のお金をかける(*)」くらい無駄なことはありません。もはやビジネスプラン1枚で何億円もの資金を集めることは不可能ですし、そもそもそんな無謀な賭けをすべきではありません。(*)http://www.infoq.com/jp/news/2011/12/lean-startup
そこで現代の起業家は新たな方法を模索し始めています――それが『リーンスタートアップ』です。リーン(Lean)とは"贅肉"がなく効率的という意味で、トヨタ生産方式を研究して生まれた「リーン生産方式」に由来しています。
リーンスタートアップでは、まず仮説検証のための必要最小限の製品=MVP(Minimum Viable Product)を作って、そのMVPを使ってユーザからのフィードバックを得て、そのデータに基づいて製品の改善を繰り返し行います。そして、どんなに製品をチューニングしても評価指標が目標に達しないと判断した時は戦略転換=ピボットを決断します。
このような仮説立案と検証のためのフィードバックループ=Build-Measure-Learnを常に高速回転させているので、スタートアップという非常に不確かな状況の中でも、失敗を最小限に抑えることができるのです。