SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

EnterpriseZine Press

日本で初めてAmazonクラウド上にSAP ERPを導入したケンコーコムの“導入と運用”の舞台裏

■ガートナー「エンタプライズ・アプリケーション&アーキテクチャ サミット2013」レポート

健康食品や医薬品などをインターネットで販売するケンコーコムは、東日本大震災を機に、安定的事業運営を目指してオンプレミス(自社運用)のサーバーシステムからクラウド・インフラ上のシステム構築へと舵を切り、2012年8月よりAmazon Web Services(AWS)上でSAP ERPを運用している。AWSのクラウド環境上にSAP ERPを本格導入したのは、国内初となる。ケンコーコムのIT本部長 新井達也氏が同社のクラウド・インフラを活用したERP導入の成功要因と、数か月の運用を経て得られた教訓を紹介した。

東日本大震災を機に、スピード重視経営に最適なシステム整備を加速

ケンコーコム株式会社 取締役、IT本部長 
新井 達也 氏
 ケンコーコム株式会社 取締役、IT本部長 新井 達也 氏

 ケンコーコムは、2011年の東日本大震災を機に、東京にあった本社機能を福岡と分ける二拠点制に移行した。現在、本社は福岡にあり、管理部門やIT部門は基本的に移されている。同時に東京に置いておいた方が有益な機能は、東京オフィスに残されている。

 ケンコーコムの事業は、最終消費者に商品を届けるB to Cが中心で、ECサイトが事業の主力となっている。そのほか、別のECサイトを運営している会社とパートナーシップを組んでおり、そこで販売された商品をケンコーコムの倉庫から消費者に出荷するドロップシップ事業も行っている。そこで今回、それら二つの異なる事業を、ERPでどのように実装していくかが、テーマになった。

出所:ガートナー エンタプライズ・アプリケーション&アーキテクチャ サミット2013
「クラウド・インフラを活用したERP導入/運用の実際」ケンコーコム株式会社 新井達也氏講演資料より

 ケンコーコムがシステムに求める要件を理解する上で、一つの重要なコンセプトがある。それは「ロングテール・ビジネス」と呼ばれているもので、いわゆる売れ筋だけでなく、たまにしか売れない商品も常時扱い、全体の売上高を伸ばしていく手法だ。品目別売上グラフが横に長く、テール(しっぽ)のような形になることからロングテールという。これは売り場面積の制約を受けないEコマースならではの販売手法で、その結果、取り扱い商品数が増え続ける事になり、それと共に処理すべきデータも肥大していく。また、たとえばマスクがある時期に爆発的に売れるなど、毎月の振れ幅が大きいのもビジネスの特徴となっている。

 ケンコーコムがERP導入を決定するに至った経営課題は、大きく分けて以下の四つを挙げる。

・経営情報基盤の確立

・業務の効率化、精度の向上

・法対応の強化

・スピード重視

 元々ベンチャー企業で、脈々と連続的成長を続けている過程で必要なシステム追加が行われてきた。そのため様々なシステムが乱立し、情報が分散してしまっていた。

 また、システム連携の悪さから、売上伝票を元に会計システムに入力するなどの手作業も発生していた。さらに下流のシステムで情報を修正すると、「どのシステムの、どの段階のデータが正しいデータなのか」が、分かりづらい状況に陥ってしまった。

 それは、内部統制という意味でも問題だ。また上場企業である以上、近い将来のIFRS対応の基盤構築も求められた。速いビジネススピードに対応すると同時に、リスク分散、BCP対策も図る必要もある。そこで今回、SAPによる一元化により、以上の課題解決を図ることにした。

次のページ
SAP選定の最大理由は導入実績と経験豊富なベンダーの多さ

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
EnterpriseZine Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

久原 秀夫(クハラ ヒデオ)

フリーランス/ITライター

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/4650 2013/03/21 07:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング