イノベーションとは、未来を思考し行動することで生まれる
「Innovation Weekend」は、サンブリッジグローバルベンチャーズ、ベンチャーナウ、ネットエイジが中心となり、ベンチャー企業と投資家を中心とする支援者を結びつけるイベントであり、2011年5月に第1回が開催されてから、1年間に5回ほどおこなわれている。毎回恒例のスタートアップのピッチでは、シードアクセラレータからも出資をされていない、起業したての人たちに対するチャンスの場として機能している。
「スタートアップ事業の貢献をミッションとし、世界を目指すグローバルベンチャーを作っていきたい」と、サンブリッジグローバルベンチャーズ代表取締役社長平石郁生氏は語る。
続いて、「500Startups(or S.V.)の投資トレンド」と題したゲストスピーチでは、Partner & Fire Chief, 500 startups のジョージ・ケラマン氏によるプレゼンが行われた。
500startupsとは、インターネット事業のシードファンドとスタートアップインキュベートを兼ね揃えたシードアクセラレータだ。2011年の第一号ファンドでは255件に投資し、2900万ドルを調達し255件を投資、現在までに22社を売却。2012年から2013年の第二号ファンドで5000万ドルを調達中であり、1号2号ファンド合計で500件近い投資を現在すでにおこなっており、年内には500件を超える投資件数になると思われる。
「テクノロジーの変化は日々加速度的に進んでおり、イノベーションによる次の製品への移行も、20年、5年、3年と次第に短くなっています」と語り、テレビや電話の過程から見るテクノロジーの進化について語った。
次に、ジョージ氏は「そもそもイノベーションとは何か?」と、参加者に尋ねた。
「イノベーションは発明ではありません。イノベーションは、既存のテクノロジーを新しい方法やそれまで気づかなかったアイディアを用いて、経済的効果や社会に影響を与える方法のことです」
つまり、イノベーションは画期的な発明のことではなく、“道具の使い方”にこそ、イノベーションがあると語った。
では、イノベーションを起こすために必要な考えは何か。ジョージ氏は「今の企業は、お客の声を聞きすぎている」とし、大企業の多くは、既存顧客のニーズに応えようとするばかりに、イノベーションが起きづらくなっているという。スタートアップは、そうした大企業ができない、“未来の顧客”に対して新しい提案をする企業だと語る。
「未来を想像し、今ある掘り起こされていないテクノロジーをどう活用し、未来へとつながるかをポジティブに考え行動する、その思考こそが重要なのです。つまり、誰もがイノベーターになれる素質を持っています。大企業もスタートアップを応援してください。社会全体がスタートアップの挑戦を応援することで、イノベーションは促進され、社会は豊かになっていきます」