世界から注目される日本のイノベーション
経産省主催で開催された新事業創出支援カンファレンス。同カンファレンスは、グローバル競争の中でオープンイノベーションを通じて、いかに日本経済を活性化させるのかを議論する場だ。
開会の挨拶として、経済産業大臣の茂木 敏充氏が登壇。ダボス会議において、日本経済や成長戦略に世界が強い感心と期待を寄せており、ベンチャーの意思決定の早さと大企業がもつ資源を活かして互いに成長し、産業の新陳代謝とイノベーションの種を多く作りだしてほしい、と語った。
グローバルリーダーを生み出すために必要な要素
第一部では、キーノートセッションとしてLIXILグループ取締役代表執行役社長兼CEOの藤森 義明氏が登壇。アジア人初の米国GE元上席副社長を経験した藤森氏が、世界で活躍するプロ経営者の流儀について語った。
「GEは、エジソンの発明以降イノベーションを起こしてきた。イノベーションは、世界で直面する課題を解決すること。GEはその哲学を創設以来持っている」(藤森氏)
会社を常に成長させていくためには、長期的な視点に立ち、いかに人を育て、育てた人材がさらにイノベーションを起こす環境を作るかだという。「長期的な視点」、そのために必要な「自己変革」、そして「人材」という3つが、企業経営に必要な要素だと語る。
LIXILグループの社長として就任した藤森氏は、住生活産業におけるグローバル企業を目指すために、M&Aを通じた「国内におけるビジネス創造」と「海外展開を重視した経営」にシフトした。
「国内コア事業のシフト、グローバル事業の拡大、自社がもつ広域流通の有効活用などを柱に、収益性の高い成長にフォーカスした。M&Aによる海外買収の大きなポイントは、圧倒的なブランド力と製品力をもとに進めることが重要だ」(藤森氏)
グローバル視点をもとにスケールし、変革を推進することが大企業に求められているという。そのためには「ビジョン」、「コミュニケーション」、「エグゼキューション」がグローバルリーダーとして必要なスキルだと同氏は語る。
「グローバルリーダーとなるためには、よき「学習者」であること。世界のどこかにより良いヒントが隠れている。それを見つけ出し、迅速に実行していくことだ」(藤森氏)
世界のさまざまなニーズを取り入れ、世界から日々学ぼうとすること。多様性のある文化を企業内につくりだすことが、イノベーションの創発と活力の源泉だと語る。