この地球上において、この規模で処理できるのはほかにない
Google Cloud Platformはアプリケーションを構築するためのクラウド型のプラットフォーム。大きく分けて3分野、コンピューティング、ストレージ、アプリケーションがある。コンピューティングではCompute EngineとApp Engine、ストレージではCloud Strage、Cloud SQL、 Cloud Datastore、アプリケーションではBigQuery、Cloud Endpointsといったサービスがそれぞれ提供されている。
提供されるサービスのインフラはGoogleのインフラそのもの。ラオ氏はこう強調した。「Google Cloud PlatformはGoogleが15年間培ってきた革新的なインフラで稼働しています。皆さんはGmail、Googleマップ、Android、Chrome、Adwards、AdSense、G+といったアプリケーションと同じプラットフォームにアクセスすることができます」
Googleのインフラを利用できるということは、単にGoogleが持つハードウェアやネットワークを「間借り」するだけではない。Googleがこれまで自社のサービスを提供するために費やしてきたソフトウェア開発の恩恵にもあずかれるといっていいだろう。例えばGFS、MapReduce、BigTable、Dremel、Spanner、Colossus。長年Googleが費やしてきたソフトウェア開発の蓄積がGoogleのインフラをより強固にしてきた。ユーザーはこのインフラを時間単位の従量制で利用できることになる。
ユーザーが利用することになるプラットフォームのパワフルさはどのくらいか。ラオ氏によるとApp Engineが処理するリクエスト件数は1日に280億件、Wikipediaの約10倍に相当するそうだ。またCloud Datastoreのオペレーション件数は月に6.3兆件にもなるという。ラオ氏は「この地球上において、この規模で処理できるのはほかにない」と自負を見せた。
そして価格。ラオ氏は「ハードウェアの価格は年間で20~30%下落しているにもかかわらず、パブリッククラウドの価格下落率は年間6~8%です。これはフェアではありません。Googleはハードウェアの価格下落率と同じように低価格で提供していかなくてはならないと考えました」と述べた。今後はムーアの法則に合わせて料金引き下げを行うという考えを示した。
新価格体系は3月25日にアメリカで開催されたGoogle Cloud Platform Liveイベントで発表され、すでに4月1日から適用されている。Compute Engineは30~53%、Cloud Storageは68%、BigQueryは85%と大幅に値下げされた。価格に関してはGoogleはかなり攻めているのが分かる。
課金の単位も目を引く。一般的なパブリッククラウドサービスだと1時間単位の課金が多いところ、Google Cloud PlatformでCompute Engineを使うと最低で10分間の使用料金が課され、それ以降は1分単位の課金となるなど細かな課金体系となっている。また一定期間継続して利用すると自動的に割引が適用されて価格が下がる仕組みになっている。