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組織の中のできない2割を変えることはできるか?

第4回


 オリンピックの熱戦が繰り広げられた夏もそろそろ終わり、虫の音とともに秋が近付いてきました。アスリートもそれぞれに自身のこれからについて考えている時期のようですね。私たちエンジニアもプロジェクトの切れ目や、異動や役職が変わるたびに同じようなことを考えているのではないでしょうか?  さて、今回のテーマは「できない2割を変えるために」です。どんな組織でも必ずできない2割と言われてしまう人たちがいます。その人たちが変わっていくための方策を考えてみたいと思います。

はじめに

 多かれ少なかれ集団の中では、「できる」「できない」の評価のもとに小集団が構成されることになります。特に仕事上の集団では、上司ができる人とできない人を明確に選別してしまうこともありますが、集団に属する自分自身が自己評価として、集団を形成していくことになります。

 このような集団の形成はパレートの法則(Wikipedia)として語られることが多いのではないでしょうか。この法則とまではいかずとも経験則的な2割程度の集団があると仮定し話を進めていきたいと思います。

「できる」集団、「できない」集団
「できる」集団、「できない」集団

 おそらく、実際に皆さんがかかわっているプロジェクトや組織を見渡した時に、2割程度の「できる人」の存在を感じることができるでしょう。逆に、同じ程度の「できない人」の存在も感じることができるのではないでしょうか。

できない人を辞めさせたい

 このような現状認識の中で、私のもとに飛び込んできたリクエストはこのようなものでした。

  • 「できない2割の人をできるように変えるか、もしくは辞めさせる方法はないだろうか?」

 というものでした。これはかなり衝撃的でした。できるように変えるというのはともかく、「辞めさせられないだろうか」と言うのです。確かに、私自身の過去を振り返ってみても、同じようなことを考えていたことがあり、その気持ちはすごくよくわかるのです。とはいえ法律上も倫理上も問題が多い話です。

 それに、ここでもう一度パレートの法則のことを思い出してみてほしいのです。集団の中の2割が「できない人」になると仮定するなら、その人たちに辞めてもらったとしても、結局そこに近かった2割の人が対象となるだけでイタチごっこになってしまうと考えられます。

 全体のバランスとして2:6:2の比率が均衡を保った状態であるとして、辞めさせるというアプローチではなく全体のパフォーマンスを上げることを考えた方が賢明ではないでしょうか。

変えるために自分が変わる

 前回お話ししたように、まずは自分が変わるということを念頭に置いて、話を進めていきたいと思います。要するに、変えるために自分の視点や考え方、そしてその行動を変えるということですね。ここで一度「できる人」「できない人」の視点を借りて、現状を再認識してみたいと思います。

 まず「できる人」、彼らは人一倍働いています。頑張っている、頑張っていないにかかわらず、チームや会社に貢献をしています。おおむねこのような自覚は持っているでしょう。

 次に「できない人」、彼らは集団の中でプレッシャーにさらされ、時には精神的なダメージとなる言動を受けているでしょう。すでにこの「できない人」というレッテルがその一つであり、言葉にしていなくても、非言語的な情報として彼らに伝わっていることでしょう。できない自分を責めていたり、諦めていたりしているのではないでしょうか?

 最後に「それ以外の6割」はどうでしょう。可もなく不可もなく、目標目指して頑張っている人、あまり気にせずマイペースな人、ちょっと一言でまとめるには難しいですが、機会があればもう少し状況をよくしたいと考えているのではないでしょうか?

 人それぞれに考えていることも感じていることは違いますが、それぞれに合わせるようにして接していく必要があることはもう皆さんもおわかりではないかと思います。この後は、全体のパフォーマンスを向上させるために、それぞれの人たちにどのように接していけば良いか考えてみましょう。

次のページ
「できる人」に働きかける

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この記事の著者

松本 潤二(マツモト ジュンジ)

松本屋 代表  コーチ、プロジェクト・ファシリテーター
1992年に起業した会社を1996年に退任後、「松本屋」を開業。
アジャイルプロセスとコーチングをベースとして、プロジェクトチームのチームビルディングおよびプロセス...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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