短い期間をふりかえるのにおすすめ―KPT
KPTってどんなもの?
筆者の回りでは KPT(Keep/Problem/Try)というフォーマットがもっともよく利用されています。これは、ある期間内の出来事を、「よかったこと、続けたいこと(Keep)」「うまくいかなかったこと、問題(Problem)」「次に試したいこと(Try)」の3つにわけてチーム内で抽出していくという手法です。このKPTフォーマットは非常にシンプルで、とっつきやすいながらも効果が高いと感じています。
だいたい1ヶ月以内を目安として、比較的短期間の出来事、またはスポットのイベントのふりかえり時によく利用します。非常にシンプルなフォーマットのため、出来事が記憶に残っていれば、簡単にそれぞれのアイテムを導出することができます。
用意するもの
ホワイトボードとマーカー、または付箋とサインペン
KPTのすすめ方
筆者の回りでよくやっている、KPTフォーマットによるふりかえりの進め方は以下の通りです。
- Try実施確認
前回のふりかえりの際に洗い出したTry項目について、アクションの実績を確認をします。
例)実施したのか、結果はどうだったか - Keep/Problem抽出
今回のKeep/Problemについての項目を書き出します。時間を決めて全員で一斉に書き出します。
- Keep/Problem確認
書き出した項目をひとつずつ確認していきます。深掘りしたい項目はチェックしておきます。付箋の場合は、分類しながら確認してもよいでしょう。すぐにTry項目がでる場合は挙げておきます。
- Problem深掘り
Problemに出ている深掘りチェック項目を見ていきます。
例)原因は何か、次に何をすれば対応できそうか - Try項目抽出
次回以降で試したい項目を書き出します。
- Who、When決定
それぞれのTry項目について[いつ、誰が実施するか]を決めます。
- クロージング
Try項目を確認してクロージングします。
KPT実施のポイントは?
KPTを実施するには、以下のポイントに注意しましょう。
まずKeepを出す
ついつい、Problemばかりに目が行きがちですが、きちんとKeepを出すことが重要です。Keepを出すことによって、小さな成功体験を積むことになります。自分達のやってきたことをふりかえる行為として、よかった面に目を向けることを忘れてはいけません。
Tryをアクションにする
Tryを書き出すときには「~をする」というアクションの形にすることを意識します。もちろん「~を意識しよう」、「~に気をつける」といった標語的なTryもあって構いませんが、アクションではないことを理解しておいてください。アクションとして出していかないと、実施することが難しくなります。
実施できないTryは捨てる
Tryを出したはいいけど、なかなか実施できないものがあります。実施できない理由は様々ですが、「そのTryはまだ必要とされていない」と見なして捨てることも検討します。実施されないTryが残り続けている状態は、あまり気持ちのよいものではありません。
Keepを名前付けする
Keepに出た「よかったこと、うまくいったこと」に名前付けをしましょう。Keepに名前付けすることで、その行為が定着しますし、人に伝えやすくなります。