「Data Domain Virtual Edition」、「Data Domain Cloud Tier」
昨年(2015年)のEMC Worldで「Project Falcon」と発表されたものがある。「Data Domain」をソフトウェアで提供するものだ。これがついに「Data Domain Virtual Edition(以下「DD VE」)」として提供開始となった。
データサイズは1TBから16TBまで柔軟に拡張可能。現時点ではVMware ESXiにインストールして利用する。追ってMicrosoft Hyper-Vに対応する予定。EMCコミュニティネットワークで無償の試用版を提供しており、0.5TBまで利用できる。
DD VEのメリットを飯野氏はこう話す。「Data Domainを使うほど容量は要らないけど性能を上げたいというとき、SSDの環境でDD VEを使えばローエンドのData Domainよりも高速化が可能となります。選択肢が柔軟になります」
もう1つクラウドを活用したデータの長期保管方法に役立つのが「Data Domain Cloud Tier」。Data Domainの中で自動階層化を行い、長期保存するものはクラウドに移動させる。クラウドストレージの中には安価なものも出てきているので、そうした選択肢を有効に使えるようになる。アクティブな層からクラウド保存向けの層へとデータ移動ポリシーを定義しておけば、バックグラウンドで自動的にクラウドへデータを移動する。サポートしているクラウドプラットフォームはEMC ECS、Virtusream Cloud Storage、加えてAWS(Amazon Web Service)やMicrosoft Azureといったパブリッククラウドも利用可能だ。
最後に飯野氏はこう話した。「いま企業にはメインフレーム、オープンシステム、モバイルアプリなど多様なプラットフォームが混在し複雑化しています。今EMCのデータ保護製品はあらゆるプロトコルやユースケースに対応可能な柔軟性があります。またEMCの技術なら既存環境にシームレスに統合し、従来型から次世代型へのシフトを可能にします」
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加山 恵美(カヤマ エミ)
EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net
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