内定1社目で決断、配属はまさかのオラクル担当
山田さんは入社からずっとOracle Databaseのサポート業務に従事している。まずは学生時代に戻ろう。専攻は法学部。しかし法律にはあまり興味がなく、ITにもそんなに興味はなかった。「ネットでゲームをしていたので、人よりもタイピングが早いくらいですね」と山田さん。
今どきの就職活動は「エントリシートを百社以上出す」など壮絶な話をよく聞くが、山田さんの就職活動はエントリシートを出したのが5~6社程度。アシストから最初の内定通知が届いた時点で「よし!これで終わり」とあっさり就職活動を終えてしまった。この決断の早さ。
アシストについては特にこだわりはなく、山田さんは応募の理由を「会社案内で見た、はかまを着た長身の外国人さんが印象的で」と言う。恐るべし、ビル・トッテンさん(当時の社長)のインパクト。
文系で特にコンピュータやプログラムの経験がなかったことについては、「一応不安でした」と山田さん。内定通知直後の段階では「オラクル」も「IPアドレス」も知らなかったのだ。無理もない。そこで山田さんは内定後にプログラミング(Ruby)の講義を受講したそうだ。
入社前の配属先希望については、「当時はWebデザインに興味がありました。あと今から考えると無理ですが、広報にもあこがれていました」と話す。どちらかに近い部署で働けるといいなと淡い期待を抱いていた。
ところが言い渡された配属先は「サポートセンター」。山田さんにとってサポートは最も避けたい部署だった。なぜなら「夜勤があるから」。なおアシストで夜勤があるのは24時間365日サポートを提供するオラクルとJP1の担当のみである。違う担当なら逃れられたのだが、よりによって山田さんの担当はオラクルだった。しかもその年の新人ではオラクル担当を言い渡されたのは山田さんだけ。
「頭の上にハリーポッターの帽子があって、しゃべってるようでした……」
配属先を言い渡された時の山田さんにはそんな光景が目に浮かんだそうだ。なお筆者はハリーポッターを見ていなかったため、山田さんが解説してくれた。ハリーポッターでは魔法の帽子をかぶると、その帽子がどの寮に入るかを言い渡すのだそうだ。それは拒否できない運命のお告げのようなもの。