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テラデータCTO、スティーブン・ブロブスト氏が語るTeradata Everywhereのこと


 テラデータのユーザー会イベント「PARTNERS」で、CTOであるスティーブン・ブロブスト氏に今回発表になった「Teradata Everywhere」について、さらにはビジネスソリューションへとフォーカスする新生テラデータのクラウドを中心とする新たな戦略について話を訊いた。

オンプレミスのほうがもちろん高性能だが、クラウドでも他を圧倒する性能がある

テラデータCTO スティーブン・ブロブスト氏

Q:Teradata Everywhereでは、既存のオンプレミス、テラデータのハードウェアをテラデータ自身で管理するマネージドクラウド、さらにプライベート、パブリックのクラウドでもTeradata Databaseが動くようになります。これを実現するための技術的なハードルはあったのでしょうか?

ブロブスト:もちろんエンジニアリングはたくさん必要でした。パブリッククラウドで動かそうとした場合、たとえばAmazon Web Services(AWS)とMicrosoft Azureではネットワークの構成も、利用しているハードウェアも異なります。またプライベートクラウドは、VMwareの仮想化環境で動かすのですが、ソフトウェアだけで最適化する必要もありました。

 これらの対応については、Teradata Database自体のコードをたくさん書かなければならなかったわけではありません。主に行ったのはテストと検証です。それには時間をかけています。

Q:パブリッククラウドでTeradata Databaseを利用する場合、十分なデータ処理性能を発揮できるのでしょうか?

ブロブスト:パブリッククラウドの場合には、仮想化ハイパーバイザーやノード間のネットワークなど、さまざまなオーバーヘッドがあります。その上で最初に提供するAmazon Web Servicesの場合は、32ノードの拡張性の中では最大限の性能は発揮できます。これはアプライアンス型のTeradata Databaseが発揮できる性能とは異なりますが、ある程度の処理能力は出ています。

Q:クラウドのデータ分析プラットフォームと考えた場合に、同じAWSの上にあるRedshiftは競合になりませんか?

ブロブスト:もちろん競合になるでしょう。とはいえ、性能は圧倒的に違います。これについては、ゼネラルセッションのデモンストレーションでも明らかにしています。RedshiftはAWSのテクノロジーなので、AWSで使うならばそれがベストだと思うかもしれません。Redshiftは、Teradata Databaseよりも使っているリソースは少ないです。単価的にはRedshiftのほうが安くなるかもしれませんが、分析を終了するためのJobの単位で考えれば、性能が極めて高いのでトータルコストはTeradata Databaseのほうが低くなるでしょう。テラデータの立場から見れば、Redshiftはアナリティクスのために本気で使うようなテクノロジーではありません。

 Teradata Databaseは、AWSの環境に依存していません。Microsoft Azureでもすでに動いています。これは、Teradata Databaseなら選択肢があると言うことです。AWSとAzureで動くと言うことは、どんなIaaSでも動くことになります。市場ニーズがあれば、将来的にはGoogleやIBMなども対象になっていくでしょう。

Q:テラデータは、Teradata Everywhereでオンプレミスやクラウドを活用するハイブリッド環境になると主張しています。今後これらの利用割合はどのようになるのでしょうか?

ブロブスト:どういう割合で使われるかは、業界によっても異なるでしょう。リテールなどはクラウド化が速く進むと思います。とくにオンライン中心のリテール企業は、データ生成がクラウドになるのでクラウド化はより速く進みます。Netflixのような最先端にいる会社は、Teradata Databaseを含めすべてをクラウドでとなっています。

 逆にデータの生成がデータセンターで行われているような企業では、Teradata Databaseもデータセンターで動かすほうが効率的です。また金融やヘルスケアなど、政府が規制をかけているような業界もクラウド化には時間がかかるかもしれません。

Q:AWSでもAzureでも動けばどのクラウドでも動く話がありましたが、クラウドごとにTeradata Databaseを動かすのに向いている向いていないと言う違いはあるのでしょうか?

ブロブスト:どのクラウドでも、Teradata Databaseのコードベースは同じです。クラウドのサービスごとにIO帯域が異なっていたり、信頼性、可用性の仕組みが異なっていたりするので、チューニングのポイントは変わることがあります。数年前まではAzureはまだまだ未熟なクラウドでした。しかしここ2、3年で、すごく良くなっています。今ではAWSに匹敵するサービスに成長しており、この2つは十分に競合する存在だと感じています。

Q:「Teradata Database on AWS」は、アナリティクスのプラットフォームをクラウドで提供するサービスだと思います。テラデータとしては、"Analytics as a Service”のようなSaaS的なサービスは視野に入っているのでしょうか?

ブロブスト:Analytics as a Serviceについては、日本以外のところですでにやり始めているものがあります。これを使えば、ユーザーに分析のプラットフォームを構築するテクノロジーがなくても分析がすぐに始められます。その場合は、データのモデル化についてもテラデータが請け負うことになります。

 契約の形態としては、サブスクリプションモデルになります。さらにそれにSLA(Services Level Agreement)も付けます。これはROIを定義し、それを達成できなければ返金するようなものになります。Analytics as a Serviceは、Teradata Databaseはもちろん、Asterも使えばRのようなOSSの技術も活用します。まさにビジネスソリューションを提供するサービスなのです。

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技術はビジネスソリューションのための手段に過ぎない

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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