Uber、ソフトバンク、サマーランドなどAIの事例が次々と登場
最近の事例として大谷氏はUberを挙げた。Uberでは安全性を高めるためにスマートフォンを通じてドライバーの顔を確認している。ここにマイクロソフトの視覚APIを用いて顔認識している。企画から数ヶ月で実現した。
国内事例ではソフトバンク、リクルートキャリア、サマーランド、ローソンが紹介された。ソフトバンクでは「未来の商品棚」として、Pepperとサイネージを用いて商品やサービスを案内することで顧客の店頭体験を向上させている。店頭で在庫確認や商品注文をしたり、言語翻訳サービスを組み合わせて外国人対応をしたりするなどを、追加人員不要で実現している。
サマーランドでは監視カメラ画像を分析することで客層と入出場の時間帯を記録し、客層がより詳細に分析可能となった。プロモーションの効果測定にも有効となる。もともと導入していた監視カメラ画像をAPIで分析するため、システム開発の敷居や費用を下げているのも特徴だ。
ローソンではLINE公式アカウント「あきこちゃん」にAIを用いている。大ざっぱに言うと「りんな」をローソン向けにカスタマイズして提供している。対話履歴から学習し、会話だけではなくクーポンを提供することでリアル店舗への誘導にも効果を出している。
リクルートキャリアでは採用後の活躍をアシストするためにAIを用いている。採用前のマッチングであればBIで足りるが、採用後に職場でうまく行っているかどうかをAIで判断し、とるべき行動を具体的にレコメンドするなど職場適応を支援しているという。
各社でAI関連サービスが各種提供されているため、大谷氏は各社でどのようなサービス名になっているかを一覧で示した。学習済みモデルはどこも提供しているものの、独自のAIを開発するためのディープラーニング用のフレームワークやインフラとなると限られてくる。
大谷氏は「AI導入が多くの企業ですでに始まっています。マイクロソフトはクラウド型のAI技術と実績があります。お客様が持つ知識と経験をAI化して一緒にデジタル変革しましょう」と話した。
実際にAIサービスを用いて開発するときの環境やツールも示された。米Microsoft Cloud & Enterprise プリンシパル・プログラム・マネージャーのアパルバ・ジョシ氏が「Azure App Service」についてデモを交えながら説明した。
Azure App Service は Web App、Mobile App、Logic App、API App、Azure Functions から構成され、Azure App Service を使えば素早く Web やスマホを使ったサービスを構築し他システムと連携させることが可能だ。既に全世界で36万5千の顧客で利用され、3倍のペースで成長している。
海外ではスペインのレアル・マドリードが試合の動画やチームの情報をファンに提供するためや、イギリスのロンドン運輸局が地下鉄の保守を実施するためや、ニュージーランドの Plexure 社がマーケティング分析を進めるためにマイクロソフトの App Service を利用しているという。
APIを利用していく等、昨今のシステム インテグレーションの中では Azure Functions は非常に有効であり、Joshi氏は Azure Functions では「やることは1つ」、「素早く終わらせる」、「ステートレスとする」、「冪等性であること(何度実行しても同じ結果になること)」とすることを勧めた。
フォレスター社によるAzure PaaSのユーザー調査レポート【要約版】
『Microsoft Azure PaaSはIT管理および開発コストの削減と、市場投入/収益実現までの時間短縮に有効』
米独立系調査・コンサルティング会社であるフォレスターコンサルティング社では、Microsoft Azure PaaSによる便益や費用、リスク等の企業の実態を把握するために、「Azure IaaS」から「Azure PaaS」に移行したユーザー企業へのインタビューを基に、Total Economic Impact(TEI:総合的経済効果) の調査を実施しました。本資料(全6頁、無料PDF)は、このTEI調査により明らかになった、ITコスト、人件費、サービスの市場投入までの時間、アプリ開発とテスト関連の節減、プロセス関連の節減、新たな利益と収益など、ビジネスへの影響について詳細に調査・分析した要約版レポートです。本資料をクラウド活用のビジネス効果やPaaS導入における参考資料としてお役立てください。