マイクロソフトのAI普及のための取り組み
デジタルトランスフォーメーションを加速させる技術要素としてIoT、AI、ロボティクスが注目されている。本稿では、マイクロソフトが提供しているAI関連技術やサービスを紹介する。
先に井上氏が述べたように、AIには2通りある。日本マイクロソフト エグゼクティブプロダクトマネージャー 大谷健氏も同様に「強いAI」と「弱いAI/ソフトなAI」と呼んでいる。言葉は違うが考えは同じ。なおマイクロソフトが提供している「りんな」などのチャットボットは「弱いAI」に該当する。
いまマイクロソフトは「AIの民主化」という表現でAI普及に努めている。大谷氏は「マイクロソフトやプラットフォームを提供する会社です。かつてプラットフォームはOSでしたが、今はAIやデータを活用する環境となります。だから(本質は)変わらないのです」と話す。
同社はAIの取り組みを強化するため、2016年9月に5,000人規模となるMicrosoft AI and research groupを設立。またAmazon、Facebook、Google、DeepMind、IBM、MicrosoftがAIの普及に向けて協議する場となる「Partnership on AI(https://www.partnershiponai.org/)」を立ち上げ、人工知能を研究する非営利団体「OpenAI」と提携するなど、外部との連携も力を入れている。
いまマイクロソフトが提供しているAIスタックは下図の通り。ユーザーが直接目にする製品やサービスとなると、「Cortana」、「Skype」、「りんな」、「HoloLens」がある。AI活用の入口と考えていいだろう。
「Cortana」というとWindows 10のパーソナルアシスタントがなじみ深いが、システムを開発するならデータをインテリジェントなアクションに変換するためのサービスをまとめて提供する「Cortana Intelligence Suite サービス」がある。データの管理から分析、機械学習、インテリジェンス(コグニティブサービスやCortana)などで構成されインテリジェンスなアプリケーションを開発できる。なかでも 認識(コグニティブサービス)は視覚認識、音声認識、言語理解、知識、検索など23種類のAIサービスAPIからなる。
例えば視覚認識のAPIなら、RESTなどで画像を送ると、画像内にあるものを認識して「女性」や「ケーキ」などタグを付け、JSONデータとして戻る。画像認識精度を競う大会でマイクロソフトは高い評価を得ており、質も性能も申し分ない。
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