
不確実性が高まる激変の時代に「デジタルオペレーション」にどのように備え、具体的に何をしなければならないのか。そのヒントを得るべく、KPMGがハーヴィー・ナッシュ社と合同で世界のCIO(最高情報責任者)およびテクノロジーリーダーを対象に「Harvey Nash/KPMG 2017年度CIO調査(以下、CIO調査)」を行なった。9月28日開催の「CIO調査記者説明会」で発表された分析結果に基づく考察・提言を紹介する。
世界のITリーダーは今何を考えているのか?
変化し続ける社会において企業が継続的な成長を続けていくために、今やICTは無視できない存在となった。むしろ、不確実性が高まる中でCIOやCTOなどICT戦略を担うビジネスリーダーの役割はますます重要なものになっている。
KPMGによる「Harvey Nash/KPMG CIO調査」は、そうしたCIO(最高情報責任者)およびテクノロジーリーダーを対象にした世界最大規模の意識調査だ。英国・ロンドンに本拠を置くハーヴィー・ナッシュ社と合同で実施されており、19回目を数える本年は、世界86ヵ国から4,498名、うち日本から約60名の協力を得ている。その日本語版の刊行に伴い開催された「CIO調査記者説明会」では、同社執行役員 パートナーの松本剛氏が登壇し、詳細にわたって分析と考察を解説した。

KPMGコンサルティング株式会社 執行役員 パートナー 松本 剛氏
なお、日本での調査および結果共有に関する活動は4年前から実施しており、松本氏は当時と比べて、経営陣やCIOなどのICT、デジタリゼーションに関するスタンスや取り組みが大きく変わってきたと語る。本年の調査では、64%のITリーダーが「自社のテクノロジー戦略や計画の変更を余儀なくされている」と回答しており、半数以上が不確実性の高い環境に適応するために「機動性に優れたテクノロジープラットフォームの構築」をあげている。そして、松本氏が指摘するのは、そうした回答に“実感”が伴ってきたことだという。

出所:KPMGコンサルティング株式会社

出所:KPMGコンサルティング株式会社
「4年前は、まだデジタリゼーションやデジタル戦略の立案、新規事業などへのIT部門の関わり方がまだ希薄であり、CIOなどをようやく設置し始めたという企業が9割に近かった。海外企業のCIO部門におけるオーナーシップや意識の高さといった話に対して、まだ実感の湧かない方や焦りを感じるという方が多く、明らかに日本とグローバルの間に圧倒的な差があったように思う。しかし、今年になって大きな変化が生じており、IT部門の役割に加え、必要な予算やスキルセットなどが明らかになり、取り組みやすくなってきたという声も増えてきた」(松本氏)
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伊藤真美(イトウ マミ)
フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ビジネスやIT系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。
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