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(第1回)  不確実な環境下での「戦略投資」-ビジネスシミュレーションの重要性と山積みの難題とは?

  2013/02/12 10:00

今回から始まる本連載では、企業の新たな成長の柱を築く戦略投資について考えます。戦略投資とは、企業の成長にインパクトを与える「ビッグプラン」です。ビッグなプランには、適切な計画・意思決定とフォローアップのプロセスが必要です。本連載では、ビジネスシミュレーションを活用して、改善を繰り返す計画立案・意思決定とフォローアップのプロセス・方法論や事例をご紹介します。まず第1回は、なぜビジネスシミュレーションが必要なのかを、戦略投資の現場で山積みになっている問題を紹介しながら考えてみましょう。

実行する前に、シミュレーションする

 多くの企業が、更なる成長を目標に掲げています。その成長実現には、人材育成、既存事業の着実な推進など様々な方法がありますが、この連載では、企業の新たな成長の柱となることを目指す新規事業・R&D・設備・M&A等への投資を戦略投資と呼び、戦略投資を通じた成長の実現方法について考えます。

 戦略投資は、未来のことを考えるわけですから、不確実です。不確実ですから、一部の大胆な人を除いてたいていの人が「実行しても大丈夫だろうか?」と感じます。このような場面では、皆さんはどうしていますか?清水の舞台から飛び降りるような覚悟で実行を決断する場合があれば、君子危うきに近寄らず(つまり、失敗したくないからやめておこう)、という場合もあるかもしれません。検討する時間が無いので、とにかく一つの案を決め打ちで作り、ガンバリズムで勝負する、という場合もあるかもしれません。

 しかし、決め打ちの案は、暗闇の中で一方向に固定したライトを向けているようなものです。ライトを可能な限り角度を変えて暗闇を照らし、こちらに進むのが良いだろう、あちらは避けた方が良い、と判断して進みたいものです。このライトの角度の変え方がでたらめにならないように手順として整理するのが方法論の役割で、迅速に実行できるようにするのがシミュレーションソフトの役割です。方法論とソフトを活用して、もし条件が変わったら結果はどう変わるだろう、というシミュレーションを数多く実施し、その結果に基づいて自分の進む方向を選択できるようになることが、ビジネスシミュレーションの大きなメリットです。

図1:将来の不確実性という暗闇に光を当てるのが、シミュレーション

 この連載では、そのような場合には、シミュレーションをして考え、議論してみませんか、と皆さんに提案します。不確実だから、実行する前に試してみましょう。

 その戦略投資は、どのようなロジックで成り立っているか、データはどの程度確からしいか、避けなければならないリスクは何か、いつ頃・どの程度の売上・利益が得られるか、起こり得るシナリオは考え抜かれ示されているか。

 このような重要な質問に気付く機会をつくり、答えを探す強力な手段(ツール)が、ビジネスシミュレーションです。投資を実行して初めてわかることもたくさんありますが、実行する前に、成功に必要な仮説を洗い出し、リスクに備えることがビジネスシミュレーションの目的です。更に、実行後も新たな気付きに基づいてシミュレーションを繰り返すことによって、戦略目標の達成を支援します。

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著者プロフィール

  • 小川 康(オガワ ヤスシ)

    インテグラート株式会社代表取締役社長 東京海上火災保険に勤務後、ペンシルバニア大学ウォートンスクールのイアン・マクミラン教授の研究センターに2年間勤務し、不確実な時代のビジネスプランニングを学ぶ。ブーズ・アンド・カンパニーを経て現職。インテグラートは、研究開発投資や新規事業投資、M&A等の...

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