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(第2回)  リスクの伴う大型投資をいかに組織として意志決定するのか?大手企業の戦略投資の取組み

  2013/03/08 08:00

前回は、なぜビジネスシミュレーションが必要なのか、そして、企業におけるどのような問題解決に役立つのかを説明しました。戦略投資の意思決定では、問題が実に山積みなのですが、今回はそのような問題の解決に、ビジネスシミュレーションを活用している企業の事例を3つ紹介します。それぞれの事例について、ビジネスシミュレーションを採用した目的と、どのように活用しているかを見てみましょう。

戦略投資を成功させる、企画担当者と意思決定者の「共通言語」と「一貫した評価」

戦略投資の意思決定は、組織的な取り組み

 この連載が掲載されているビズジェネでは、新規事業に関するコンテンツが実に豊富です。個人のスキルアップに大変役立つ、と思ってご覧になっている方も多いのではないかと思います。

 しかし、戦略投資の意思決定は、一部の個人がスキルアップしただけでは、なかなかうまく行かないのです。投資を企画する担当者と、その実行を許可する意思決定者が、目的を共有して納得感の高いコミュニケーションをすることが必要です。たとえば企画担当者が、新たな分析を活用して意思決定者に説明したとします。しかし、意思決定者がその分析を理解しなければ、意思決定者にとってその分析は単なるブラックボックスに過ぎず、全く役に立ちません。逆に、あいつは無駄な分析しやがって、相当ヒマなんだな、と思われてしまったりします。そんな事態を避けるためには、組織として戦略投資の意思決定に取り組むイメージを、最初から持つと良いと思います。

一貫しない評価は、何もしないよりも悪い

 組織として取り組むことは、意思決定者にも大きなメリットになります。「一貫しない投資評価は、何もしないよりも悪い(Inconsistent valuations are worse than none.)」というのは、戦略投資の意思決定を担当していたある製薬会社のCFO(最高財務責任者)の言葉です(注1)。

 たとえば、予算の枠が限られている場合(たいていそうだと思いますが)には、戦略投資を取捨選択しなければなりません。その際、戦略投資を評価検討する仕組みができておらず、案件ごとに長所短所の説明方法が異なっていると、案件を比較して意思決定することが難しくなってしまいます。そんなことなら、そもそも余計な分析をせずに、最初から自分に考えさせてもらいたい、という意味なのでしょう。

 (注1) 出所:How SmithKline Beecham Makes Better Resource-Allocation Decisions, Harvard Business Review, March-April 1998

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著者プロフィール

  • 小川 康(オガワ ヤスシ)

    インテグラート株式会社代表取締役社長 東京海上火災保険に勤務後、ペンシルバニア大学ウォートンスクールのイアン・マクミラン教授の研究センターに2年間勤務し、不確実な時代のビジネスプランニングを学ぶ。ブーズ・アンド・カンパニーを経て現職。インテグラートは、研究開発投資や新規事業投資、M&A等の...

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連載:不確実な時代の「戦略投資の意思決定」入門講座
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