みんなで泊まれば怖くない!?―障害支援室の夜はふけて
「通常、お客さまからのお問い合わせやサポート依頼はサポート部門で受けるのですが、技術的に高度な内容の場合には、品質保証部門にエスカレーションされてきて、製品ごとの担当エンジニアが調査に当たることがあるんです。さらには、ミッションクリティカルなシステムに万が一トラブルが発生して、緊急の対応が必要な場合には、われわれ品質保証部門に加え、設計部門やSE部門の担当者も交えて、体制を敷くこともあります」(梯さん)
聞くところによると、緊急対応時に各部門の関係者がいつでも集合できるように、「障害支援室」という専用の部屋まで用意されているのだという。社会インフラ系など、ミッションクリティカルなシステムで本当に緊急の対応が必要な場合には、問題が解決するまで関係者一同、障害支援室に詰めて徹夜で作業するのだそう。
ううん、体育会系?だいじょうぶなんだろうか?
「関係者全員が集まって徹夜態勢で対応した結果、翌朝にはもう修正パッチをお客さまにお渡しすることも珍しくありません。これは、開発者が身近にいるからこそできる対応だと思います。しかも現場や製品の担当者だけではなく、幹部も一緒になって徹夜することもあります」(板谷さん)
幹部も一緒に徹夜!幹部のことは嫌いでも障害支援室のことは嫌いにならないでほしい!(*幹部、嫌われてないです)。いや、それにしても日立の人は、みんなタフだなあ。
「日立には伝統的に、品質や顧客満足を最重要視する文化が脈々と根付いていますから、トップや幹部も率先して対応に当たるんですね。もはや障害支援室で幹部が対応を陣頭指揮することが、一種あたりまえのようにすらなってますから! われわれも、そうした幹部の姿勢や理解があるからこそ、徹夜の大変な作業でも頑張れるんです」(梯さん)
ところで賢明な読者諸氏のこと、そろそろお気づきのことと思うが、今回、障害支援室の写真はない。これは筆者の怠惰のせいではない。撮影が禁止されているのだ。それだけ厳戒体制だということ。というわけで、賢明な読者諸氏におかれましては、障害支援室やら幹部ぐるみの徹夜の阿鼻叫喚のさまやら、おのおのの想像で思い描いてほしい。