アバナードのCEOのアダム・ワービー氏は、アバナードが手がけたクラウド移行の代表的な例としてTowergate社やAntares Capital社のプロジェクトを紹介した。
米国の保険会社Towergate社は従業員4000人の、Windows2003やWindows7といったレガシーなシステムを全面的にWindows Azureに移行。成果としてはITの運用コストを30%削減した。現在Azureのクラウド上には6ペタバイトのデータを保有している。またGEキャピタルから独立した金融企業のAntares Capital社も、Office 365とAzureを活用し従業員の業務効率化を図った。
「クラウドトランスフォーメーション支援サービス」の全体プロセスとしては、以下の図の通り。市場の変化へ敏速に対応できるプラットフォームの構築と、最適化によるコストの削減を実現。今回のサービス提供を通じ、マイグレーション、インテグレーション、モダナイゼーションを行うためのPoC(概念実証)やアセスメント、コンサルティングまで含め、Microsoft Azureへの移行を総括的に支援していく。
アバナード代表取締役の安間裕氏は「日本企業はクラウド移行は意思決定しているものの、まだ踏み切れていない企業が多い」と語り、こうした企業の移行の後押しのために以下の3つの分析ケースやシナリオを商材として提供していると言う。
1)ARC (Application Roadmap to Cloud) - アプリケーションのクラウド移行
アプリケーションのクラウド移行、クラウド移行に向けて、ビジネス上の価値や複雑さの観点からアプリケーションごとに明確な優先順位を付けたロードマップを、ワークショップを通して作成する。
オンプレミス(Retain)/変更なしIaaSシフト(Rehost)/Azure IaaS VM最適化と移行(Rehost)/Azure PaaSへ変換(Revise,Rebuild)/既存のSaaS、PaaS機能を更改(Refactor)/SaaSソリューションの利用または変換(Replase)/環境廃止(Retire)──これらの「7つのR」を用いたフレームワークによる分析結果を通じワークショップなどを実施。「Azureファクトリー」というオフショアの専門チームによりアプリケーションの移行や評価を支援する。
2)MTA (Modernize Traditional Application) - アプリケーションのモダナイゼーションサービス
アプリケーションのモダナイゼーションを効率よく行うため、アプリケーションのコンテナ化するサービス。オンサイト、オフサイトのワークショップを通して選択する。
クラウドに移行するにあたってのモダナイズの最適手法──VM利用による既存システム移行、コンテナ、DevOpsなどの選択、移行の費用やROIを含め提供していく。
3)Azure Stack All-in-Oneソリューション - ハイブリッドクラウドソリューション
Microsoft Azureのクラウド機能を顧客企業のオンプレミス環境や、クラウド移行の途中段階でのハイブリッド環境に実装し、かつ透過的に運用していくための支援。
とりわけ、3つめの「Azure Stack」については、「アバナードこそが、唯一総合サービスを提供できる企業」と安間氏は自信を語った。