PwCグローバルネットワークは、5月19日、新型コロナウイルス感染症に対する企業の懸念や課題、対策についての2回目の調査結果を発表した。本調査は、日本を含む世界24の国と地域のCFO871名を対象に実施されたもの。
調査結果によれば、グローバル全体では、ほとんどの企業が新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの短期的な対応フェーズから脱却してきており、今後の「ニューノーマル」における事業運営のための準備を検討している。
新型コロナウイルス感染症のビジネスへの重大な影響を懸念していると回答したCFOは、グローバルでは70%と、前回調査とほぼ同じだった。ところが日本の場合は、93%と前回より深刻さを増した。
業務再開にあたって、日本のCFOは、オートメーション化と新しい働き方の推進(71%)や、職場の安全対策や要件の変更(50%)、リモートワークを恒久的な働き方の選択肢として導入(50%)を、おもな施策として挙げている。
一方、グローバル全体では、一定距離を保ちつつ業務を行うための職場環境の見直し(55%)や感染拡大のためのシフト変更や交代勤務制度(44%)という回答が多かった。
サプライチェーン戦略では、日本のCFOの57%がサプライヤーの財務およびオペレーションの健全性の把握、50%が代替調達オプションの開拓、同じく50%が製品の組立/サービスの提供場所の多様化を検討すると回答している。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大が終息し、通常の業務に戻る時期としては、日本のCFOの57%が3か月~6か月以内と予想しているが、グローバルでは49%のCFOが3か月以内に通常の業務に戻れると回答した。
日本のCFOの93%は、新型コロナウイルス感染症が自社の事業活動に与える影響を強く懸念しており、86%が2020年の収益や利益の減少を予想している。
日本のCFOからは、新型コロナウイルス感染症への対応策として、R&Dやデジタルトランスフォーメーション、サイバーセキュリティへの支出を削減するという回答はゼロで、M&A戦略については「現時点では評価が難しい」(50%)、「変更はない」(36%)という回答が前回調査より微増した。