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富士キメラ総研、国内におけるパブリッククラウド市場の調査結果を発表

 富士キメラ総研は、5月28日に「2020クラウドコンピューティングの現状と将来展望(市場編)」を発行した。これはDXの実現に向けて、ますます需要が高まっているパブリッククラウド市場の調査結果をまとめたものとなる。

 「2020クラウドコンピューティングの現状と将来展望(市場編)」では、SaaS(業種汎用型/業種特化型)、DaaS、IaaS/PaaS(仮想共有型/仮想専有型、物理専有型)で構成されるパブリッククラウドの国内市場における現状を分析し、将来を予測している。

 パブリッククラウドの国内市場は、オンプレミス環境からの移行ニーズが拡大を続けており、基幹系システムでもコストや運用負担の低減するためにパブリッククラウドの利用は一般化しつつある。

 一方で、依然としてオンプレミス環境の社内システムを利用している企業は多いことから、今後も国内のパブリッククラウド市場は拡大すると予想している。また、いわゆる「2025年の崖」を克服すべく、システム刷新やDX実現を目指したパブリッククラウドの利用促進も期待される。

 今後は、複数のSaaSを組み合わせた利用や、システムごとにIaaS/PaaSを適材適所で活用するマルチクラウド、DX実現のため新規システム構築の際にパブリッククラウドを優先するクラウドファーストの検討が増える傾向が強まると予想。同時にパブリッククラウドの利用がさらに広がり、市場拡大を後押しするとみている。

 カテゴリ別では、SaaSの構成比が大きく、今後も堅調な伸びが予想される。しかし、DXの実現やサーバレス/コンテナなどを活用したクラウドネイティブの実現によって、PaaSへのニーズが高まるとしている。そのほか、DaaSは運用負担の低減やセキュリティの強化、IaaSは社内システムのオンプレミス環境からの移行で需要が増えている。

 パブリッククラウドの普及によって、関連するSI市場も拡大し、2023年度には2018年度比で2.5倍の4兆6000億円となることが予想される。さらに、2023年度のSI市場全体におけるパブリッククラウド関連の比率は、36.7%に達すると予想される。

 レイヤ別では、アプリケーション、プラットフォームともに伸長が予想される。同調査では、とりわけプラットフォームでコンサルティング/導入支援、ITリソース提供、運用サービスなどの大幅な伸びを見込んでいる。

 仮想共有型/仮想専有型では、一般企業の社内システムにおける基幹系システムでの移行需要の高まりが市場拡大に寄与する。PaaSでは国内ベンダーがユーザーに対して、メガクラウドサービスを主体に提案するケースが増えていると指摘する。

 業種別では、情報通信サービス業をはじめとするサービス業の比率が高いものの、製造業や金融業、流通業などの一般企業や公共向けの比率が拡大している。

 物理専有型では、基幹系システムなど社内システムの基盤としての導入が増加。メガクラウドベンダー各社も物理専有型の提供を開始しているほか、物理専有型への注力を強めるクラウドベンダーも現れたことから、市場の活性化による今後の拡大が期待される。

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