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テレワークの弊害としてハンコ問題がクローズアップされる「企業IT利活用動向追跡調査2020」

 日本情報経済社会推進協会とアイ・ティ・アールは共同で、毎年1回、1月に「企業IT利活用動向調査」を実施している。コロナ禍がIT利用企業の考え方や行動にどのような変化をもたらしているかを把握するため、国内企業727社のIT/情報セキュリティ責任者を対象に2020年7月に緊急調査を行っており、9月24日、その結果の一部を発表した。

 調査結果のポイントは以下の5点

  1. 緊急事態宣言下においてテレワーク環境のセキュリティ対策を重視した企業は約5割
  2. 働き方改革の取り組みとして、テレワークや在宅勤務制度を整備した企業の割合が、2020年1月から約15ポイント増加
  3. 在宅勤務、テレワーク用のセキュリティ規程の整備と教育を実施している企業は4割を超える
  4. テレワーク環境下での取引先選定時に、第三者認証取得を重視するように変わった企業は3割を超える
  5. テレワークの障害としてハンコ問題がクローズアップされ、電子契約の採用検討が加速
1.緊急事態宣言下において、業務の円滑な遂行のために重視した点は、「テレワーク環境におけるセキュリティ対策」と「仕事環境の整備」
図1.緊急事態宣言下において業務の円滑な遂行のために重視した点
図1.緊急事態宣言下において業務の円滑な遂行のために重視した点

 緊急事態宣言下で業務を円滑に遂行するために重視した点は、約半数の企業が「テレワーク環境におけるセキュリティ対策」(49.1%)を選択し、続いて「仕事環境の整備」(41.0%)となった。宣言発令によって多くの企業はテレワークへの転換が余儀なくされ、仕事環境の整備ともに、テレワーク環境での情報漏えいなどのセキュリティ・インシデント防止の動きが見られ、企業のセキュリティ意識の高さがうかがえるとしている。

2.働き方改革の取り組みでは、テレワークや在宅勤務制度の整備、働き方改革に伴うITシステムの導入が進展
図2.働き方改革の取り組み状況の変化
図2.働き方改革の取り組み状況の変化

 働き方改革の取り組み状況を2020年1月の調査時点と比較すると、「テレワーク(モバイルワーク)制度の整備」を行った企業が27.6%から42.4%(約15ポイント増)へ、「在宅勤務制度の整備」が25.5%から39.6%(約14ポイント増)へ、「働き方改革に伴うITシステムの導入」が27.6%から35.9%(約8ポイント増)と拡大していることがわかった。

 働き方改革は、過去の調査では緩やかな進展にとどまっていましたが、コロナ禍を機に大きく進展したと考えられるという。

3.働き方改革の実現に向けたセキュリティ対策では、在宅勤務、テレワーク用のセキュリティ規程の整備と教育、および法人向けコミュニケーションツールの利用が拡大
図3.働き方改革の実現に向けて実施しているセキュリティ対策
図3.働き方改革の実現に向けて実施しているセキュリティ対策

 次に、働き方改革の実現に向けてセキュリティ面で実施している対策を2020年1月時点と比較すると、「在宅勤務、テレワーク用のセキュリティ規程の整備と教育」が27.3%から40.2%(約13ポイント増)へ、「法人向けのコミュニケーションツール(Web会議/チャット/メッセンジャー)の利用」が37.0%から45.1%(約8ポイント増)へと大きく伸びた。コロナ禍に対応した新たな勤務環境に合わせてセキュリティ規程やシステムの整備が急速に進んでいることがわかるとしている。

4.コロナ禍において、取引先選定時にプライバシーマークやISMS認証取得を重視するように変わった企業は約3割
図4.コロナ禍における取引先選定時の認証取得の重視状況
図4.コロナ禍における取引先選定時の認証取得の重視状況

 テレワーク環境時のセキュリティ対策を進めるなか、取引先選定時にプライバシーマークやISMSの取得状況をコロナ以前よりも重視するようになったかを尋ねたところ、「重視するように変わった」と回答した企業がともに30%を超えた。これに、「以前より重視しており、今後も重視する」の回答を合わせると約60%となった。コロナ禍においては取引先を訪問して評価を行うことが難しくなっていることから、プライバシーマークやISMSのような第三者認証取得の有無が、選定評価の判断基準として重要性が高まっていると考えられる。

5.コロナ禍を受けて、プライバシーマークやISMSのような第三者認証の取得予定企業が増加
図5.情報セキュリティ認証取得状況の変化
図5.情報セキュリティ認証取得状況の変化

 新型コロナのパンデミック前後で、プライバシーマークとISMSの認証取得状況を比較したところ、特に大きな変化は見られなかったが、今回の調査では「今後取得する予定」とした企業が、プライバシーマークで17.1%、ISMSは18.3%となり、ともに1月時点よりも増加した。テレワーク環境になって、よりマネジメント体制の重要性が増したことがうかがわれるという。

6.電子契約の採用を検討する企業が増加
図6.電子契約の採用状況の変化
図6.電子契約の採用状況の変化

 コロナ禍でのテレワークの阻害要因として「ハンコ」問題がクローズアップされ、電子契約への関心がさらに高まっている。電子契約を採用済みの企業は今回も前回と変わらず約4割となったが、今後採用を検討している企業の割合は、前回の27.5%(自社開発の15.5%と外部サービス利用の12.0%の合計)から、今回は35.6%(同19.1%と16.5%の合計)となり、約8ポイント伸びた。電子契約は自社単独ではなく取引先企業でも導入が必要となり、導入に時間を要することがあるものの、テレワークでも事務手続きをスムーズに行うために、従来の紙の契約書から電子契約への移行が進みつつあるとしている。

 なお、電子化したい業務プロセスとしては、社内決裁処理、契約書の締結・保管などがあげられた。

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