SAPジャパンは、SAPの2020年第3四半期決算を発表した。本発表は、SAP SEが発行している「Q3 2020 Quarterly Statement」の抄訳としている。
第3四半期決算の概要
- 進行中のクラウドのバックログは固定通貨換算ベースで16%増の66億ユーロ
- IFRSベースのクラウド売上総利益率は1.8パーセンテージポイント増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでは0.7パーセンテージポイント増
- IFRSベースの営業利益率は2.2パーセンテージポイント減、Non-IFRSベースの営業利益率は固定通貨換算ベースで1.3パーセンテージポイント増となり前年比好調
- IFRSベースの1株あたり利益は26%増、Non-IFRSベースの1株あたり利益は31%増
- 営業キャッシュフローは54%増、フリーキャッシュフローは年初から現在までで79%増
- 2020年の見通しと中期的な目標を更新
- 2025年までの目標を大幅に拡大し、クラウド売上220億ユーロ超、予測可能性の高い売上の比率約85%、Non-IFRSベースのクラウド売上総利益率約80%を目指す
- 2023年から2025年までNon-IFRSベースの営業利益は2桁増加が目標
2020年第3四半期最新情報
第3四半期も総売上が安定し、営業利益および営業利益率(Non-IFRSの固定通貨換算ベース)が増加したことによって、その回復力を実証した。
今回のCOVID-19危機で、顧客は業務の変革と自動化の強いニーズを実感し、新しいビジネスモデルへの適応を急いでいるという。
地域によってはロックダウンが再び実施されており、回復は一様ではなく、企業の直面するビジネスの不確実性が増している。取引売上は引き続き影響を受けており、出張関連の売上にまださしたる回復が見られないSAP Concurはその度合が顕著だとしている。
SAPは、クラウドデリバリーの最新化の加速を計画しており、ハーモナイズド・デリバリー・インフラストラクチャという目標に計画よりも早く到達。その結果、SAPのクラウドデリバリー業務の効率と回復力は大幅に向上する見込みだという。
また、アジア太平洋および日本地域では、堅調な業績を達成。クラウドおよびソフトウェア売上は、IFRSベースで1%減、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでは4%増となった。クラウド売上はIFRSベースで14%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで19%増となり、日本、シンガポール、および韓国で特に好調だったとしている。
SAP CEOのクリスチャン・クライン(Christian Klein)は「COVID-19は顧客にとって大きな転換点となりました。企業が回復力を身に着け、危機をバネにしてより力強く発展する基盤を整えるには、本物のビジネス変革と結び付いたクラウドへの移行が必須事項となったのです。SAPはお客様およびパートナーと協力して、共同イノベーションを起こし、デジタル世界でビジネスを遂行する方法を再構築していきます。2025年のクラウド売上220億ユーロ超を目指して成長を加速させ、予測可能性の高い売上の比率を約85%まで拡大します」と述べている。