2日、東北大学、大阪大学、国立情報学研究所、NECらは、世界最大級となる広域ベクトル型スーパーコンピュータの連携を実現したことを発表した。このシステムは、東北大学と大阪大学に設置された2台のNEC製SX-9をSINETで接続し、NAREGIミドルウェアを利用して、2台を1台のシステムのように仮想化連携させたという。
東北大学のSX-9は16ノードで最大ベクトル理論性能26.2TFLOPS、大阪大学のSX-9は10ノードで同16.4TFLOPSの性能を持つシステムで、学術情報ネットワーク SINETで高速接続されている。2台を連携させたNAREGIは国立情報学研究所が開発したグリッドミドルウェアで、大規模並列シミュレーションなどを可能にする。
今回の実験では、SX-9のローカルスケジューラに対応した「GridVM for SX Vector Computer」を開発し、グリッド環境におけるベクトル型コンピュータの連携を実現した。これによって、スーパーコンピュータのベクトル計算資源のクラウドサービスも可能になるという。