2024年10月24日、野村総合研究所(NRI)は、レポート「日本のChatGPT利用動向(2024年9月時点)」を発表した。
調査概要
- 調査名 :「インサイトシグナル調査」2024年9月実施
- 調査期間:2024年9月7日~2024年9月8日
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:関東1都6県(茨城、栃木、群馬、千葉、埼玉、東京、神奈川)の満15~69歳の男女個人(20歳~59歳は人口構成で年代割付)
- 有効回答数:2,985人
- 主な調査項目:メディア(テレビ、新聞、雑誌、デジタル、交通広告など)への接触、クリエイティブ認知状況、商品・サービスに対する購買プロセス、消費価値観/趣味/悩みなど、チャネル利用状況/SNSなどのツール利用状況など、世帯構成/職業/金融資産など
調査結果
ChatGPTの認知率と利用率
ChatGPTを知っていると答えた人が72.2%、実際に利用したことがあると答えた人は20.4%で、2023年6月に同社が調査した結果と比べ、認知は頭打ち傾向が見られるものの利用は伸びていたという。
性別は男性の比率が高く、認知率では77.6%(男性)対66.7%(女性)、利用率でも26.9%(男性)対13.8%(女性)となっている。昨年の結果と比べ、男性の認知は頭打ち傾向が見られるのに対し、女性の認知は若年層中心に向上していた(女性20代:61.4%→72.0%、女性30代:56.4%→74.7%)。また、利用においては男性中年層(男性40代:19.3%→29.6%、男性50代:15.8%→21.8%)および女性若年層(女性20代:16.0%→22.4%、女性30代:10.2%→17.1%)において利用が伸びている。
ChatGPT利用の不安や懸念は「回答の不正確さ」「自分で考えなくなること」
職場におけるChatGPT利用の不安や懸念について、主な不安や懸念で挙げられるのは「回答が不正確な場合があること」(47.7%)、「AIに頼って自分で考えなくなること」(39.6%)だった。
昨年の調査と比較すると、「AIに頼って自分で考えなくなること」が42.4%から39.6%へ減少していたこと、「サイバー犯罪に巻き込まれる可能性があること」が17.5%から14.5%へ減少していた。
ChatGPTの利用用途は文章の要約が上昇、コミュニケーション相手は減少
業務におけるChatGPTの利用用途を調査した結果、「文章の作成」「情報収集」用途としてChatGPTを利用する想定が高く、昨年の調査からの変化としては「文章の要約」が26.6%から31.4%へ増加していた。
一方、「人の代わりのコミュニケーション相手になる」については16.2%から11.9%へ減少。業種別に詳しく分析すると、特に飲食店・宿泊業や医療・福祉業では減少傾向が高い。昨年の調査時点では、飲食店・宿泊業や医療・福祉業においてChatGPTの利用用途として「人の代わりにコミュニケーション相手になる」を挙げる人が多かったが、それが全体平均並みに減少している。
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