2024年12月10日、VANTIQは事業戦略説明会を開催した。
同社は、リアルタイム・インテリジェント・アプリケーション開発プラットフォーム「VANTIQ」を提供する企業。説明会に登壇した同社 共同創設者 兼 最高経営責任者(CEO) Marty Sprinzen(マーティ・スプリンゼン)氏は「グローバル規模で『AI』が変革をもたらしている中、我々はより安全な社会を実現していきたい」と述べる。同社の提供するプラットフォームは、センサーなどのIoT機器から収集したデータをはじめ、既存システムや各種クラウドサービスと連携することで、リアルタイムなデータ処理・利用を可能とする点が特徴。ローコードによる開発環境(ビジュアル開発ツール)により、容易にアプリケーションを構築することも可能だという。
IoTやAI、ロボットなど、多くの技術や機器が溢れてデータやシステムを取り巻く環境が複雑化する中、どのような企業や状況であってもデータを統合していける世界初の企業こそがVANTIQだとスプリンゼン氏は強調する。
たとえば、自然災害や医療現場などでVANTIQが利用されているとして、大規模洪水の例を提示。VANTIQで構築されたチャット形式のアプリケーションでは、洪水が発生している旨のメッセージをAIが発信すると、安全な避難ルートの提示はもちろん、家族の安否についても位置情報を参照することで精度の高い回答を行えるという。
他にもサウジアラビア・King Abdullah Financial District(KAFD)地区におけるNECの大規模プロジェクトにVANTIQを提供しており、1万以上のセンサーから人流データを収集。人の動きなどを分析することで不審者を検知・追跡するようなことも可能だとして、スプリンゼン氏は「我々のシステムがあれば、いち早く不審者を止めることもできる」と述べる。
なお、同社日本法人は2015年に設立されており、2024年7月に佐藤知成氏が代表取締役社長に就任している状況だ。同氏は「コロナ禍もあり、普及が芳しくなかったことは事実だ。昨今、生成AIの普及などから我々が必要とされていることも感じている」と話す。特に日本においては、さまざまなデータがリアルタイムで連携する「Society 5.0」の実現に寄与していきたいとして、「医療」「防災」「防衛」「製造」「エネルギー」「スマートシティ」を重点分野としながら事業展開を図っていくとした。
「グローバル一体となり、パートナー企業との連携、人員体制の拡充などに取り組んでいく。これまでにない水準のソリューションを実現するため、VANTIQを提供していきたい」(佐藤氏)
【関連記事】
・Nozomi Networks、CEOら来日でOT/IoTセキュリティ強化を訴える
・NRIセキュア、「欧州IoTセキュリティ法規準拠支援サービス」提供 ロードマップ策定から実行まで支援
・アステリア、マレーシアのAI企業とともに「AIoT Suite」を共同開発 日本語版を提供開始