米国時間2024年11月19日、OpenTextは「OpenText Cloud Editions 24.4(CE 24.4)」を発表した。このアップデートにより、データ接続の強化、ワークフローの効率化、セキュアにAI統合されたソリューションが提供されるという。
OpenText Cloud Editions 24.4は、マルチクラウドの設定のコンプライアンスを維持し、リスクを軽減しながら、複数のプラットフォームを横断するデータ移動をサポートする基盤を提供するとのことだ。詳細は以下のとおり。
ビジネスクラウド
今回のアップデートで導入された「OpenText Experience Cloud」は、コミュニケーションメッセージング、顧客データジャーニー、セキュアなFAXのソリューションといった機能により、企業内の対話や、顧客とのやり取りの再構築を支援。詳細は以下のとおり。
- OpenText Communications(Exstream):カスタマーコミュニケーション管理プラットフォームには、クラウドへの移行を簡素化するための移行ツールと設計アクセラレーター、大容量の通信に対応するジョブ管理機能が含まれる
- OpenText Core Messaging:パーソナライズされたコミュニケーションを実現するクラウドベースプラットフォームの構成要素として、電子メール、WhatsApp、SMS、Web、モバイル、印刷物などのRCS(リッチコミュニケーションサービス)を支援
- OpenText Customer DataとOpenText Core Journey:リアルタイムでのプリファレンス管理など、統合型の顧客データ管理機能を向上・拡大し、よりカスタマイズされた顧客体験を実現
また、「OpenText Core Fax」と「OpenText Fax(RightFax)」がプライベートクラウドで提供されるという。企業は、オンプレミスのFAXサーバーからクラウドベースのサブスクリプションモデルへ移行できるとのことだ。同ソリューションは、多機能プリンター、電子カルテ(EMR)、WebexやMicrosoft Teamsなどのプラットフォームとの連携機能に対応。ヘルスケア、金融サービス、法務、官公庁など、機密データを頻繁に取り扱う業界に適していると同社は述べている。
加えて、「OpenText ITOM Observability」をソリューションスイートに新たに追加。開発者に、クラウドのパフォーマンス問題を検知・解決する上で役立つツールを提供するとしている。
ビジネスAI
同社のビジネスAIソリューションは、生成AIを活用することで、企業が自社の知的財産の価値を高められるよう支援。ソリューションの詳細は以下のとおり。
- OpenText Content Aviator with OpenText Information Archive(OpenText InfoArchive):ITデータ管理者は、LLMチャットインターフェイスを通じ、レガシーコンテンツやアーカイブ化されたコンテツから洞察を引き出せる。自然言語クエリを使用し、アーカイブ化されたコンテンツへのアクセス、要約、参照を行えるため、機密データを保護するための組織のセキュリティプロトコルに準拠しながら、生産性を向上できる
- OpenText DevOps Aviator:AIとLLMを使用して、ビデオ録画から手動テストと欠陥再現シーケンスへの変換を自動化することで、コーディング作業が不要に。プロジェクトのタイムラインを短縮できる。また、AI支援型のチャットでは「OpenText Software Delivery Platform(OpenText ValueEdge)」を使用してユーザーストーリーを作成し、ワークフローを合理化。エラーリスクを軽減できる
- OpenText Intelligence Aviator:LLMを活用し、自然言語の会話に基づくビジネスインテリジェンスデータへのアクセス・分析・可視化の機能を提供
ビジネステクノロジー
OpenText Business Technologyソリューションは、プライベートクラウド、パブリッククラウド、APIなどを通じて、多様な環境に導入できるエンタープライズグレードのデータプラットフォームを提供するよう設計されているとのことだ。詳細は以下のとおり。
- OpenText Information Intelligence - Thrust API:「OpenText Intelligent Classification」と「OpenText Knowledge Discovery(IDOL)」の機能を単一のソリューションに統合。独立系ソフトウェアベンダーによる社内外の機密情報の管理、コントロール、共有を阻止できるよう支援する。これはヘルスケア、官公庁、金融サービスなど、厳格な個人情報に関する規則やコンプライアンス規制の遵守を求められる業界に役立つ
なお、四半期毎に行うOpenText Cloud Editionsのリリースの一環として、顧客は90日毎に最新のAI機能を利用できるとのことだ。
【関連記事】
・2024年に猛威を振るったマルウェア、ワースト1位は?──OpenText調査
・スクウェア・エニックス、「OpenText Extended ECM for SAP」を導入
・セイコーエプソン、OpenTextのEDIクラウドサービスを採用 グローバルでのEDI統一・標準化へ