2025年5月8日、日本電信電話(以下、NTT)およびNTTデータグループは、NTTによるNTTデータグループの完全子会社化に関する記者会見を開催した。

(左から)日本電信電話株式会社 代表取締役社長 社長執行役員 島田明氏
株式会社NTTデータグループ 代表取締役社長 佐々木裕氏
完全子会社化に至った背景として、「両社の資本関係には、親子上場にともなう利益相反や複雑な意思決定プロセス、NTTグループがNTTデータグループに経営資源を投下するにあたって双方株主に説明責任を果たす難しさなどといった課題があった」とNTT 代表取締役社長の島田明氏は語る。
子会社化により、NTTは以下3つの取り組みを推進していくという。
- グローバルソリューション事業のポートフォリオ強化:北米マーケットの強化、AI技術を活用したサービス強化、データセンターの拡大・高度化など
- 両者グループリソース/ケイパビリティの連携強化:法人営業分野では大規模法人向け統合ソリューションの営業を強化・拡大。研究開発分野ではIOWNなどを活用したデータセンターの高度化やtsuzumiを活用したAIの社会実装などを推進
- 意思決定の迅速化とコスト競争力・CX/EX向上:ガバナンスの簡素化などで意思決定の迅速化を進めるとともに、AIを活用し社内共通業務のグループ横断DXを推進。これらを通して、コストの最適化やCX/EX向上を目指す
また、NTTは今回の完全子会社化に向けてNTTデータグループ株式の公開買付を実施。1株あたり4,000円で、買付総額は約2兆3712億円だとしている。公開買付によりNTTデータグループの株式のすべてを取得できなかった場合は、株式売渡請求または株式併合により、NTTデータグループを完全子会社化する予定とのことだ。
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